奥州・金ケ崎

節目の年 出来秋実感 陸羽132号稲刈り 金札米発祥の里 百周年事業【奥州】

刈り取った陸羽132号の実りを実感する米寿記念者

 江刺金札米発祥の里百周年記念事業を展開している奥州市江刺の「稲瀬農業の未来を考える会」(廣野次雄委員長)は3日、地域内の学習水田で5月に植え付けた陸羽132号の稲刈りを行った。コロナ禍で規模を縮小し、地域の米寿記念者や地元の関係者30人ほどが参加。好天の下、鎌で稲を刈り取って棒掛けし、出来秋を実感した。同会では11月に収穫祭を行い、百周年を祝いながら陸羽132号を味わう考え。

 同会は、農業を次の世代に引き継いでいくため、農業で生活できる環境をつくり、担い手の育成を図ろうと活動している。江刺産米の評価を高め、後に江刺金札米のブランド確立につながった陸羽132号が、稲瀬地区で栽培され始めた1921年から100年の節目に当たることから記念事業を展開している。

 同日は、開始に先立ってセレモニーが行われ、廣野委員長、樋口研一稲瀬地区振興会長が絶好の稲刈り日よりで開催できる喜びを語った。江刺猿ケ石土地改良区の渡邉幸貫理事長が、陸羽132号の開発に当たった同地区出身の岩渕直治の功績や戦中の疎開でのエピソードを紹介した。

 稲刈りでは、5人の米寿記念者と小原武雄JA江刺専務が作業に当たった。米寿の小原高子さん(88)は「出来栄えが良いと感じた。穂の大きさや重さがある。金札米は知人からもおいしいと評判が良い。ずっと続いてほしいと思う」とずっしり実った稲を刈り取っては束ねた。

 小原専務はひとめぼれと陸羽132号との違いについて「株が1・5倍以上に増えている。それによって収量も多いと思う」と語った。

 廣野委員長は「陸羽132号は自然乾燥させて収穫祭で味わう。旬を届ける『いなせっと』でも活用できないか探ってみたい」と話していた。

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