一関・平泉

ピーマンで地域盛り上げ Iターンの千葉健司さん 川崎で就農4年目【一関】

一関市川崎町の畑から収穫したピーマンの選別作業をする千葉さん(左から2人目)

 2018年に東京からIターンし就農した一関市川崎町薄衣字南新山の千葉健司さん(39)は、地域の人たちと連携しJAいわて平泉管内で栽培が盛んなピーマンの生産に励んでいる。祖父が残した古民家に移り住み農業を始めて4年目。同JAに出荷する生産者は川崎町内で唯一といい、「ピーマンで川崎を盛り上げたい」と意気込みを語る。

 千葉さんは東京都江東区出身。都内でサラリーマンをしていたが、25歳の頃祖父が死去、父親も20歳の時に亡くなっていたため同町の祖父の家を相続。30歳を過ぎて空き家になった家をどうするか考えた末35歳で脱サラし移住を決めた。

 就農時に選んだピーマンは比較的取り組みやすいと考え、町内の空いていたビニールハウスを借りて栽培を開始。農業改良普及センターやJAから技術を学んだり、先輩農家の圃場(ほじょう)を見学して助言をもらったりして試行錯誤を重ね、現在はハウス2棟(約6・5アール)でピーマンを栽培する。

 昨年からは地域農業の担い手として同町薄衣字畑の沢地内の畑で露地栽培にも取り組み、今年は地域の人たちと連携して約10アールでピーマンを育てており、来年は面積の拡大を見込む。

 千葉さんは「気候も年によっていろいろでその年その年が新たな挑戦」と栽培の難しさを語る。21年産は価格も伸びていないというが、「人脈づくりや少しでも地域の農業の力になればと思いピーマンの栽培を始めた。来年も面積を拡大し、ピーマンで川崎を盛り上げていきたい」と話す。

 千葉さんはピーマン栽培の傍ら、祖父が残した築約150年の古民家を大規模改装し19年に「農家体験民宿 古民家薄衣」をプレオープン。1日1組限定の予約制で20年に本格オープンしインターネット交流サイト(SNS)で受け付けを始めたが、新型コロナウイルスの感染拡大と時期が重なったため民宿は新型コロナ収束後の利用に期待する。

 「観光に出掛けたりというよりも宿でゆっくりして完結できる“完結型民宿”を目指している。ピーマンなどの農業体験もしてほしい。裏山や周辺の整備にも手を付けたい」と民宿を地域の魅力を発信する場にできるよう構想を温める。

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