北上・西和賀

新型コロナ 「医療崩壊の恐れ」 北上市内飲食店クラスター3件 市長が危機感

 北上市内の飲食店で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が3件発生し、新規感染者数の急増を受け、市新型コロナウイルス感染症対策本部長の髙橋敏彦市長は7日の定例記者会見で、「このままのペースで感染が進むと、本当に医療崩壊が起きかねない危機的な状況」と強い懸念を表明。「北上スタイル」の感染防止策第2弾を発表し、市民に感染拡大防止へ一層の協力を求めた。

 発生エリアについて市は、3件とも同市中心部の青柳町、諏訪町で酒類を提供する接待を伴う飲食店等と公表。7日現在、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は北上市が36・8人、同市など近隣4市町の中部保健所管内が42・3人に急増している。

 感染者を受け入れている医療機関の現状について、髙橋市長は「新たな一般診療はとても受け入れられない状況。さらに拡大すると医療崩壊を招く恐れがあり、市民の命にも直結する。市民一人ひとりが自覚をして、感染を絶対に拡大させないことが重要だ」と強調した。

 市は、公表済みの「北上スタイル」第2弾の感染防止強化策として、新たに「人との接触機会を50%削減」「免疫力を高める規則的な食事と睡眠、運動」を追加。室内の換気は1時間に1回から「50分経ったら10分間」とし、「会議時間50分以内」「対面は1・8メートルの距離確保か仕切り設置」も続ける。

 市長は「守りから攻めの感染防止に1ランク上げた。1週間の新規感染者数50%削減が目標」と説明。「今回、家庭内感染の基点となっている飲食店の感染をきっちり止めたい。飲食店の皆さんには必ずマスクを着用し、室内の換気など一層の徹底をお願いしたい」と求めた。

 さらに「組織化されていない飲食店等、われわれのメッセージが伝わっていないところで感染が広がっている」とし、今後は市内で約1万人が登録する「ヤフー防災アプリ」などを活用。急きょ感染拡大したり、ある一定エリアで感染が止まらない場合、アラートを発出する方針を示した。

 県は盛岡市内の飲食店に時短要請し、協力金を支払うが「(他地域へ)人が流動してしまう。全県でやった方が効果が上がると思う」との認識を示した。8月に県の認証制度を取得した飲食店に1店舗20万円を給付する支援策を公表したが、追加の経済対策も今後検討するとした。

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