花巻

ICT使う学び模索 タブレット端末で授業 矢沢中 GIGAスクール構想【花巻】

タブレット端末を使い、クイズに答える矢沢中生徒
GIGAスクール特別講座のユーチューブ配信を視聴する矢沢中の1年生
教員研修、準備課題

 全国のすべての小中学生に1人1台のタブレット端末を整備する文部科学省の「GIGAスクール構想」。花巻市内の小中学校でも、タブレット端末を使った授業が進められている。新型コロナウイルス感染拡大で対面授業が不可能となった場合の備えとなる半面、忙しい教員にとって研修や端末準備などに時間を取られるといった課題もある。教育現場では試行錯誤しながら、ICT(情報通信技術)を活用した学びを模索している。

 7日、同市高松の矢沢中学校(佐々木律夫校長、生徒196人)は、1年生76人が体育館に集まり、理科の授業の一環として、文科省主催の「GIGAスクール特別講座~南極は地球環境を見守るセンサーだ!」をスクリーンで視聴した。

 同講座は、地球環境や気候変動への関心を高めてもらおうと、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使い、南極・昭和基地と全国の中学校がつながって質問や回答をやりとりしながら、同基地周辺の気象状況を学ぶもの。Zoom参加校は10校で、本県からは岩手大教育学部附属中のみが参加した。

 同講座には、第62次南極地域観測隊が出演。生中継で同基地の現在の天気や気温、景色、生活を紹介したほか、南極特有の自然環境を生かした実験なども披露。クイズも出題した。

 矢沢中では、同講座の動画投稿サイト(ユーチューブ)配信で参加校のやりとりを見ながら、生徒一人ひとりがタブレット端末を操作してクイズの解答を体験的に送信した。配信の中で、参加校の生徒の意見にも耳を傾け、南極の環境に理解を深めた。

▲矢沢中の各教室に設置されているタブレット端末保管庫

 生徒の小松要平さんは「南極のことや昭和基地の人たちの生活を知ることができた。タブレット端末を活用した授業は調べ学習にも便利だし、もし学校で新型コロナウイルス感染者が出た場合のオンライン授業で役立つかもしれない」と話していた。

 同校では、夏休み明けの2学期にタブレット端末が全校生徒に行き渡り、授業で本格的に使用し始めた。端末は使用時以外、各教室に設置した保管庫に入れている。

 同校の西村蘭子副校長は「子供たちに視覚的な情報を提示でき、授業の利便性も向上する」と期待しつつ「教員たちよりも子供たちの方がタブレット端末を使い慣れている場合もある。教育現場に端末導入するに当たって、さまざまな準備や労力が必要だ」と、課題も指摘する。

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