北上・西和賀

販売、PR機会提供へ コロナ禍の飲食店支援 北上信金が駐車場開放

北上信金本店駐車場で丼物を販売する店舗の関係者。同信金は11月まで本支店の駐車場を貸し出し、活用してもらう=14日、北上市本通り

 北上信用金庫(木村幸男理事長)は14日から、「事業者応援プロジェクト」と銘打ち、同信金本支店の駐車場を北上、西和賀両市町の飲食店に開放する取り組みを始めた。北上料飲店組合、西和賀商工会の会員を対象に11月まで実施。飲食店が食品などを販売し、新型コロナウイルス感染拡大などで落ち込んだ売り上げの回復の一助としてもらう。

 長引くコロナ禍に加え、土砂崩落による国道107号寸断の影響を受けている西和賀町の飲食店を地元の金融機関として支援しようと企画。全国の金融機関でも珍しい取り組みという。

 14日は本支店の駐車場で市内の2店舗が、駐車場の2区画で出店。このうち同市本通りの本店には食事処・時代屋(同市相去町)がキッチンカーで丼ものを販売し、多くの来店者が買い求めていた。

 時代屋の新田芳徳店主(68)は「時短要請は出なかったが、夜はかなり(来店者が)減っている」と新型コロナ感染拡大の影響を語り、今回の出店で「いい企画で、おかげさまで売れた。また出店したい。これを機に、店にも来てもらえるようPRしていきたい」と感謝。北上料飲店組合の新田直美組合長(65)は「ありがたい企画で組合員の励みになる。(県独自の)緊急事態宣言が終わったとしても、すぐに(客足が)戻る雰囲気ではない。各店もこれをきっかけにして外に出て名前を売ってもらえれば」と語った。

 9月は北上、西和賀両市町の4店舗が出店。10、11月はさらに増える見込み。本支店が混雑しがちな月、金曜日と月末の最終週を除き、原則火、水、木曜日に両市町にある9本支店の駐車場のうち2区画ずつを、午前9時~午後3時に無料で貸し出す。

 北上信金総合支援部の山田岳副部長は「打撃を受けている飲食店に、地元の金融機関としてお手伝いできることは何かを考えた。各店の売り上げ確保と認知度アップにつなげてもらえれば」と話している。

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