北上・西和賀

色彩 繊細で柔らか 心和ます水彩画 未発表含む22点展示 諄子美術館及川館長【北上】

身近にある木の実などの水彩画を展示している及川諄子さん
果樹、木の実題材

 北上市大通りの「おんでせプラザぐろーぶ」内にある諄子美術館(及川諄子館長)で「及川諄子水彩画展―日々のくらしの中で―」が開かれている。及川館長が描いた水彩画22点が展示されている。10月9日まで。

 同美術館は、及川館長が所蔵するコレクションの展示や、本県ゆかりの作家らを紹介する企画展などを行う私設美術館として2000年に開館した。

 今回も新たな企画展を開催する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となった。多くの美術館ファンから「こういう時だからこそ何らかの展示を」という声があったことから、及川館長自身の未発表作品を含む水彩画の展示を決めた。

 作品は自宅の庭で植栽しているサクランボやヒメリンゴ、キウイ、ブリーベリーなど果樹、木の実をスケッチしたもので、繊細で柔らかな色彩が来場者の心を和ませている。

 中でも赤く艶やかなサクランボの実を描いた7点の作品が目を引いている。40年前に植えた2本のサクランボの木は毎年多くの実を付け、来客者に振る舞ったり、作品に描いたりするなどしていたが、樹勢が弱まったこともあり昨年に伐採したという。

 及川館長は「毎年いろいろ楽しませてくれたサクランボの木だった。枝を前に描くことはできなくなったが、別の植物たちは元気なので、これからも身の回りのものを描いていきたい。特にツルものはいろんな形に動くので面白く、描いていて楽しい」と話している。

 11日に行われたオープニングセレモニーで、来場者は「水彩で立体感やみずみずしさを表現しており素晴らしい」「足元の草や長い間一緒に暮らしてきた木の実とか、本当に愛のあふれる空間だと思う」とコメントを寄せていた。

 会場では、及川館長が1年間表紙絵を担当した1986年版「広報きたかみ」も陳列されており、ムラサキシキブやエゾタンポポ、ナンテンなど12種類の植物が鮮やかに描かれている。

 開館時間は午前11時~午後4時(毎週月・木曜休館)。入館料は200円(18歳以上)。

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