花巻

郷土の歴史3冊に 石鳥谷・大瀬川の菅原さん 今昔の記録今後も【花巻】

大瀬川の3テーマについて、それぞれ冊子にまとめた菅原さん(左)と、協力した大瀬川歴史クラブの会員

 花巻市石鳥谷町大瀬川の郷土史を研究する「大瀬川歴史クラブ」(会員35人)代表の菅原得之さん(78)=同町大瀬川=は、長年調べてきた大瀬川の▽居住と屋号▽消防▽唄―の3テーマについて、それぞれ一冊ずつまとめた本を完成させた。「古里の歴史は誰かが記録しなければ、100年後には残らない」と、大瀬川の今昔の姿を記す意義を語っている。

 菅原さんは40年以上前から、地域住民が集まる場で耳にする大瀬川の話題を手帳にメモして残してきたほか、自身で調査を進め、書きためていた。

 10年以上前から今年まで全68回、地元で開かれた「大瀬川歴史探訪講座」(大瀬川活性化会議主催)で企画担当を務め、多様なテーマに沿った資料を準備し、参加者に配布してきた。

 「話を聞かせてくれた人やお世話になった人へ、今のうちにお返しをしたい」と、同クラブ会員の協力を受けながら、同講座で使用された資料を加筆、修正し、今回冊子にまとめた。

 冊子は、大瀬川の旧家に残されている家系図や沿革といった記録を参考に、屋号からルーツを探る「大瀬川の居住と屋号」(82ページ、約90冊)、地域の消防関係者から聞いた話を中心に制作した「大瀬川の消防」(54ページ、約160冊)、大瀬川で歌われている祝い唄や大瀬川小学校校歌などを紹介、解説する「大瀬川にかかわる唄」(29ページ、約40冊)。製本も菅原さん自身が行った。

 このうち「大瀬川の消防」では、大瀬川消防の沿革や消防組織名の変遷、大瀬川最古の消防演習、大瀬川の火災、大瀬川の消防団などについて取り上げている。

 1997年5月に同市石鳥谷町から紫波町にかけて発生した大規模山林火災については、発生時間から分刻みで、通報から消火までの経緯や調査活動に関して詳細に書かれている。

 菅原さんは「次は大瀬川の先人や今を生きる人を紹介する本も作りたい」と話し、地元の人たちが生きた証や息遣いを後世へと伝え続ける。

 冊子は地元住民や関係者、石鳥谷図書館などに配布した。希望者には贈ることにしている。

 問い合わせは、菅原さん=080(1836)6029=へ。

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