花巻

成長願いヨッー、ヨッー 花巻・東和 三熊野神社で泣き相撲

三熊野神社の泣き相撲で、「ヨッー、ヨッー」の掛け声で互いの顔を近づける赤ちゃん

 花巻市東和町北成島の三熊野神社(小原明宮司)で19日、子供の健やかな成長を願う行事「泣き相撲」があり、成島地区ゆかりの赤ちゃんが元気な泣き声を響かせた。

 地元を中心に市内外の6カ月から1歳半までの11人が参加。南北に分かれ、はんてんに手ぬぐい鉢巻きを身に着けた赤ちゃんを親方が抱いて土俵に上がり、6番の取組を行った。

 「ヨッー、ヨッー」という掛け声で互いの顔を近づけ、泣いた方が負け。11カ月の長男藍翔ちゃんを土俵に上げた同市東和町の多田拡さん(30)・えりかさん(28)夫妻は「祖父と練習してきたが、本番では泣いてしまった。人に優しく、気配りができる、思いやりがある子に育ってほしい」と笑顔を見せた。

 泣き相撲は同神社の特殊神事で、正式には9月の例大祭に行う「十二番角力(すもう)式」のこと。今から約1200年前、同神社の創建に当たり、坂上田村麻呂が社前で部下に相撲を取らせたのが始まりとされる。

 猿ケ石川を境にした南北の青年による相撲だったが、勝った方に豊作をもたらすという占いが激しい争いの元になったことから、江戸時代中期に神社氏子の長男で数え2歳の幼児による泣き相撲に変わり、南北に分かれ6組の取組で、先に泣き出した方が負けと決められた。

 今は幼児の成長と豊作を祈る行事として続けられている。1988年からは春場所として全国泣き相撲大会も開催されているが、ここ2年は新型コロナウイルスの影響で中止になっている。

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