奥州・金ケ崎

反芻獣 体の仕組み紹介 標本、獣医学図版展示 牛の博物館【奥州】

牛の博物館の企画展「大地に生きるウシ 究極の反芻獣」。草食に特化した歯の特徴が分かる骨格標本などが並ぶ

 奥州市牛の博物館の第29回企画展「大地に生きるウシ 究極の反芻(はんすう)獣」は、同市前沢字南陣場の同館で開かれている。草から効果的に栄養を得る「反芻」をはじめ、草原などに高度に適応した体の仕組みや、人を含む自然とのつながりについて、標本や獣医学図版などを通して紹介している。10月24日まで。

 展示は▽ウシ科動物の繁栄▽草原への適応▽ウシからつながる生態系―などのコーナーで構成。反芻をする動物としての歴史をたどることができる。収蔵品に加え、岩手大など関係専門機関からの貴重な資料を借り受けた。

 栄養価が低い一方で、どこにでもある草を主食にできたことが牛を含む反芻亜目の繁栄した秘訣(ひけつ)で、人より先に多くの大陸に住み着いた。牛の上あごには前歯がない分、まな板のような歯床板があり、下あごの前歯で草を引き抜き、凹凸の多い奥歯ですり潰す構造となっており、会場に並ぶ骨格標本からこの口の特徴をはっきりと確認できる。

 草から効果的に栄養を生み出す牛の消化器官の特徴はよく知られており、四つある胃は反芻のため食道へ草を送り戻し、牛が自力では消化できない繊維を分解できる微生物がすむなど重要な器官である。胃は腹腔(ふくくう)の体積の4分の3を占めるといい、樹脂で保存したホルスタインの胃の展示ではその大きさを実感できる。

 腸は吸収しにくい草を消化するため長いが、体積自体は小さく、岩手大図書館の獣医学掛け図からは、牛の体内で渦巻き状にコンパクトにまとまっている腸の様子がよく分かる。

 このほか人や糞虫、草など牛と関係する生き物、地球環境との関わりなども紹介している。

 同館の森本陽主任学芸員は「牛の仲間が進化してきた環境と合わせてイメージすると、体の特徴をよりよく理解できる」と展示のポイントを語っている。

 開館時間は午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)。月曜休館。

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