北上・西和賀

安全支える仕事理解 新技術で橋点検 結果踏まえ診断も 黒沢尻工高生 県と協働【北上】

黒沢尻工高3年生が維持管理などを体験した橋梁点検

 土木業界の担い手の確保や育成につなげようと、県は27日、北上市村崎野の県立黒沢尻工業高校の土木科3年生との協働による橋梁(きょうりょう)点検を行った。生徒が新技術に触れながら大型道路構造物の維持管理を体験し、安全な暮らしを支える仕事に理解を深めた。

 2012年に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故を契機に道路法が改正され、橋梁などの構造物は5年に1度の近接目視による点検が義務化された。県が管理する道路橋(約2800橋)は14年から点検を実施し、19年度からはインフラメンテナンスに関する知識の向上などを狙いに高校生と協働で取り組んでいる。同校が対象となるのは今回が初めて。

 同日は同校橋梁点検班の5人が北上、奥州両市の橋梁4カ所を県道路橋定期点検要領に基づいて点検。このうち北上市和賀町にある主要地方道花巻平泉線の瀬畑大橋では、県が点検業務を委託する昭和土木設計(矢巾町)の従業員と共に橋梁点検車に乗り、構造や外観などを確認し、ひび割れなどを損傷図に記録した。

 コンクリート構造物の欠陥を高精度に検知する打音検査器「ブルードクター」やドローンなど点検の最新技術も体験し、同校の金澤我羽さんは「普段、学校では経験できないことを学んだ。メンテナンスや安全管理に関わった経験を将来に生かしたい」と語った。

 今後は県や点検業者の指導を受けながら点検結果を踏まえて各橋梁の健全性を診断し、点検調書を作成して報告会で県に提出する予定。県県土整備部道路環境課の藤島謙維持担当課長は「道路メンテナンスの必要性を理解するとともに、自らが県政に貢献していることを実感し、土木業の将来を担う技術者になってもらいたい」と期待した。

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