一関・平泉

義経の愛馬知って 「たゆうぐろの大ちゃん」着ぐるみマスコット製作 千厩・馬っこの会【一関】

千厩・大夫黒・馬っこの会が製作した着ぐるみマスコット「たゆうぐろの大ちゃん」と関係者

 “馬愛”にあふれた一関市千厩町の千厩・大夫黒(たゆうぐろ)・馬っこの会(昆野洋子会長)は、源義経の愛馬である大夫黒に親しんでもらおうと、着ぐるみマスコット「たゆうぐろの大(たい)ちゃん」を製作した。お披露目された地域イベントでは既に好評を得ており、同会は「子供たちに馬産地千厩の歴史、大夫黒という馬の存在を知ってもらいたい」とさらなるPRに活用していく。

 大夫黒は平安時代の末期、源平合戦で活躍した名馬。千厩で鍛えられ、平泉を治めた奥州藤原氏の3代秀衡から義経に贈られたとされる。平家追討の一ノ谷の戦いでは断崖絶壁から「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」を敢行。屋島の戦いでは、義経をかばって命を落とした家臣佐藤継信を弔うため四国に預けられ、現在は高松市の墓で眠っている。

 同会は大夫黒の関連資料を紹介する特別展や、その生涯を描いた紙芝居の披露、歴史に理解を深める研修旅行といった顕彰活動に取り組む。2020年度には市地域おこし事業を活用し、情報盛りだくさんのリーフレット「千厩の名馬 大夫黒の今昔」を作った。

 マスコットは子供たちをはじめ、若い世代にも興味を持ってもらうべく製作に着手し、完成までは試行錯誤を重ねた。元は茶色だった毛を大夫黒に近い黒色に塗り替え、面懸(おもがい)や轡(くつわ)の馬具も取り付けるこだわりようで、昆野会長(79)が「適任」と太鼓判を押す男性が中に入りポーズを取る。

 今春に完成、7月にはテレビデビューを果たしたほか、8月には「アンブレラスカイせんまや」の会場でも披露。今後はあらゆる関連イベントの会場に駆け付ける予定で、その場を和ます存在として期待される。

 現在、大夫黒をモチーフにしたお菓子作りも進めている同会。同町中心部に馬のシンボルを造るという最終目標はあるが、昆野会長は「マスコットも活用しながら、まずは大夫黒という馬が何なのかを分かってもらうこと。『厩』の字が示すように、馬に関わりの深い千厩の歴史を広めていきたい」と意気込んでいる。

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