奥州・金ケ崎

山あい焦がす大輪 感謝、追悼込め花火 奥州・江刺米里

232発の花火が米里の夜空を焦がした人首言の葉花火の夕べ

 3回目を数える「人首言の葉花火の夕べ」(米里振興会社会福祉部主催)は2日夜、奥州市江刺米里で行われた。地域限定イベントで、感謝や追悼の言葉に合わせたメッセージ花火とともに同市初の尺玉(10号)も打ち上げられ、地域の人々の思いがこもった花火が山あいの夜空を焦がした。

 花火の夕べは、シンガーソングライターしらいみちよさん(山梨県在住)を招いて同地区でコンサートを開いたのがきっかけ。宮沢賢治ファンのしらいさんは同地区の歴史や景観が気に入り、2019年に最初の花火の夕べを開いた。

 同地区で花火が打ち上げられたのは半世紀ぶりで、企画と運営に奔走した同部の竹内美紀さん(44)が多くの住民の協力が得られ、かつてない地域の盛り上がりを感じたことから、20年以降も地域限定で開催している。

 花火の打ち上げは、07年の土浦全国花火競技大会で内閣総理大臣賞を受賞するなど、国内有数のメーカー、マルゴー(本社山梨県、齊木智社長)が初回から担当。同社は東日本大震災の復興に向けた支援も行っており、宮城、岩手両県の沿岸被災地でも花火を打ち上げている。

 齊木社長(53)は「最初(米里に)来た時は打ち上げられるのかと思ったが、素晴らしい環境だった。地域の人たちの団結がすごい。上げがいがある。思いを込められる。今回も元気、勇気、希望を伝えられれば良いと思って頑張った」と語った。

 同日は、3号5発で幕開けし、一斉打ちや早打ち、スターマインなど232発でプログラムが構成された。メインの10号では、300メートル余りの高さまで上がって直径300メートルの大輪がごう音とともに開くと、あちこちで見守っていた住民たちから「おーっ」と声が上がった。

 竹内さんは「花火は米里に無くてはならないものとして確立された。今回もお年寄りたちに尺玉を見せてあげたい、世界一の花火師の花火を見せてあげたいという一心で準備した。素晴らしい花火を見せてもらって感謝している。来年も頑張りたい」と意欲を語っている。

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