花巻

高品質小麦種子生産へ 乾燥調製施設着工 来年6月稼働目指す グレンシーズ花巻

グレンシーズ花巻の新小麦種子乾燥調製施設建設地。右奥が大豆乾燥調製施設

 花巻地域で小麦種子を生産する法人で組織するグレンシーズ花巻(高橋新悦代表取締役)は、花巻市内で小麦種子乾燥調製施設の新築工事に着手した。生麦で約350トンの年間処理能力がある設備を整備し、小麦種子の高品質生産と安定供給を目指すとともに、新品種の種子生産にも対応する。施設は2022年3月の完成、6月の稼働を目指す。

 グレンシーズ花巻はJAいわて花巻小麦採種生産組合を構成する6法人で組織。小麦種子の生産規模は20年度実績で面積にして90・39ヘクタール、荷受量にして271・4トンに及び、県内シェアの76%を占める。これまでは主に法人ごとに所有する施設で乾燥調製を行っており、施設の老朽化や、乾燥調製能力の規模から収穫適期を逃すなど、品質確保や安定供給が課題だった。

 この課題を解消するため同市鍋倉字地神の同JA旧鍋倉大豆センター敷地内に共同の新乾燥調製施設を建設。建物は鉄骨造り2階建て、延べ床面積757平方メートルで、荷受け、乾燥、調製の施設を設ける。

 施設整備は、国の20年度産地生産基盤パワーアップ事業に採択された。既存施設を活用した大豆乾燥調製施設の整備も併せて行い、総事業費は5億2250万円。国が約2億3200万円、市と同JAがそれぞれ約4700万円を補助する。工期は22年3月末。

 14日には現地で乾燥調製施設の新築工事安全祈願祭が行われ、事業主体のグレンシーズ花巻、総合管理の同JA、施工管理の全農連東北広域施設事業所、施工業者、県や市などから約20人が出席。高橋代表取締役は工事の安全と工期内完成を願うとともに、「施設は小麦採種生産組合の悲願。適期刈り取りによる均質化で上質な小麦種子の確保を図りたい」と述べた。

 大豆乾燥調製施設は既に整備が完了し、今月25日に稼働する予定。

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