奥州・金ケ崎

エミリィ作品朗読、歌で 賢治との共通点解説も 資料センター20周年記念【金ケ崎】

エミリィ・ディキンスン資料センター20周年「エミリィの調べ」で2人の詩を朗読した桑島さん(中央)

 金ケ崎町立図書館に開設されているエミリィ・ディキンスン資料センターの20周年を記念した「エミリィの調べ~詩と歌でつむぐエミリィと賢治~」は6日、同町西根の同館で開かれた。詩人エミリィ・ディキンスン(1830~86年)と宮沢賢治(1896~1933年)の作品の朗読、独唱が披露されたほか、研究者が2人の作品の魅力や共通点を解説した。

 同町は、姉妹都市の米国アマースト町の出身で、最も優れた詩人の一人として数えられるエミリィの資料を日本エミリィ・ディキンスン学会から寄託を受け、2001年に同センターを設けた。節目に当たり、朗読と独唱、解説を通じて2人の作品を紡ごうとイベントを開催した。

▲「エミリィの調べ」の幕開けを飾った声楽家藤崎さん

 約70人が訪れた同日は、金ケ崎町出身の声楽家藤崎美苗さんの独唱で幕開け。藤崎さんは「金ケ崎町民歌」「牧歌(賢治)」「菫(エミリィ)」をアカペラで豊かに歌い上げた。続いて髙橋由一町長が開設の経緯に触れながら「エミリィの業績に触れることを通じて町民の理解が進むことを願う」とあいさつした。

 同町出身の声優桑島法子さんは同町ゆかりの賢治作品「軍馬補充部主事」などエミリィと賢治の作品を朗読。一つ一つの言葉に込められた風景や感情に合わせた声の演技を聞かせ、聴衆は難解ともいわれる2人の詩の世界に没入していた。

 解説では、武田雅子大阪樟蔭女子大名誉教授と、宮沢賢治記念館の牛崎敏哉学芸員が登壇。作品の背景や2人の作品世界の魅力について話した。

 このうち武田名誉教授は、アマースト町での留学中に金ケ崎町との親交が始まったという。「草原をつくるのにいるのは クローバーと蜜蜂一匹」を例にして、エミリィの詩作や言葉の選び方について紹介。「翻訳は作品を楽しむ出発だと思う。苦しいけど面白い」と語った。

 また、エミリィと賢治について「前から似ていると思っていた。2人とも詩に対してとても純粋だ」とした上で「共通しているのは言葉の実験」と指摘。「誰のことも気にせず新しい言葉や表現を紡いでいた。実験的な表現は、純粋に言葉の追究をしていたから生まれたのだと思う」との考えを示した。

 牛崎学芸員は、賢治が同町六原の陸軍軍馬補充部を訪ねたのは1924年4月と説明し、「軍馬補充部主事」や「種山ケ原」などに見る関連性を述べた。

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