県内外

天台寺住職、被災地訪問 本県とも深い縁【岩手】

東日本大震災や世界遺産平泉について語った瀬戸内寂聴さん(右)=2011年9月、奥州市

 9日に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴さんは、本県と深く関わりを持っていた。1973年に平泉町の中尊寺で得度し、87年からは二戸市の天台寺で住職、名誉住職を務め、「青空説法」には全国からファンが押し寄せた。東日本大震災後には県内の被災地を巡り慰問活動に力を入れた。

 県南地方にも講演などのために数多く足を運んだ。震災に見舞われ、「平泉の文化遺産」が世界遺産に登録された2011年には、中尊寺の山田俊和貫首(当時)と奥州市で公開対談を行った。震災を受け「想像力が人間に一番大事だと思っていたが、今度のことで想像力なんて何の役にも立たない」と痛感したことを吐露し、世界遺産登録には「普通の時に登録されたのではなく、この時代だったから格別に重い意味がある」と復旧・復興の象徴となることに期待を込めた。

 12年5月には名前にある数字から「イチ、二のサン」で連携していた一関市と二戸市、青森県三沢市の市長との対談に臨み、中尊寺で得度したことに触れ「出家したことで東北と深い縁ができた。出家は生きながら死ぬこと。もう一度生まれ変わった誕生の地が東北だった」「東北は自然、人の心が汚染されていない。純情で人を裏切らない。本当に好きで尊敬している」と語った。

 中尊寺の奥山元照貫首は「突然の訃報にただただ驚いています。中尊寺で得度されてから、当寺ならびに岩手県に賜りましたご恩に衷心より感謝いたします。謹んでご冥福をお祈り申し上げます」との談話を発表した。

 達増拓也知事 住職として開山以来1200年余りの歴史を有する天台寺の復興に尽力されるなど、本県の文化振興に貢献された。「青空説法」には県内外多くの方が訪れ、お話に心を寄せられた。東日本大震災後には被災地を訪れ、被災者を励まし、大きな勇気を頂いた。偉大なご功績とお人柄をしのび、ご縁とご恩に感謝し、心からご冥福をお祈り申し上げる。

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