北上・西和賀

夢持つ大切さ力説 東京五輪テコンドー5位・山田選手 黒沢尻西小で講演【北上】

児童に蹴り技を指導する山田選手(中央)

 北上市立黒沢尻西小学校(八重樫浩二校長、児童403人)で24日、東京五輪テコンドー女子49キロ級で5位に入った山田美諭選手(27)=東京都・城北信用金庫所属、愛知県瀬戸市出身=を招いたオリパラ教育講演会が開かれた。山田選手は競技生活を踏まえて語り、実演も披露。児童に夢を持つこと、諦めずに頑張ることの大切さを説いた。

 国のオリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業の一環。4~6年生約210人を前に、山田選手はテコンドーについて「足のボクシングといわれ、米国ではコンビニと同じぐらい道場がある」と紹介した。

 3歳で父親が開く道場で空手を始め、得意の蹴り技を生かそうと中学1年でテコンドーに転向。全国優勝を機に夢の五輪出場を目指し駆け上がったが、リオデジャネイロ五輪出場を懸けた代表選考会で敗れ、靱帯(じんたい)断裂の大けがで1年間のリハビリを余儀なくされた。

 「テコンドーをやめたいと思い泣いた。リハビリはとても苦しかったが、他の選手の活躍を見て『復活して絶対に活躍する』と思った」と奮起。復帰後、アジア競技大会、世界ランキング上位が出場するグランプリ大会で銅メダルを獲得した。

 そのメダルを児童にも披露。「つらい時に支えてくれた人たちに恩返ししたいと思い、このままでは終われないと限界まで追い込んで練習した。けがをして、苦しい思いをしたからこそ今の自分がある」と強調。児童には「夢中になれるものを見つけてほしい。かなわなかったとしても、夢に向かって一生懸命やったかが大切。その道のりが自信になる」と語り掛けた。

 実演では足を大きく上げ、回転させて板を蹴り落とす技を披露。児童からは歓声が上がった。

 山田選手の指導で児童たちも中段前蹴りや上段回し蹴り、回転ターンを体験し、目を輝かせながら取り組んでいた。

 佐々木瑛士郎君(5年)は「5歳から水泳をしている。記録が伸びない時もあるが、山田選手のように諦めずにたくさん練習して五輪に出たい」と声を弾ませ、小野寺美月さん(6年)は「けがをしてもメダルを取れたのはすごい。夢を追い掛けるのは大切で、頑張ろうと思った」と笑顔で語った。

 児童からは「リラックス法は」「海外で困ったことは」など多くの質問が寄せられ、山田選手も丁寧に答えていた。

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