奥州・金ケ崎

音楽の楽しさ伝え 衣川・南股 ストリートピアノ演奏【奥州】

修復されたピアノを奥州市内の音楽好きが演奏した農村ストリートピアノ南股コンサート

 「農村ストリートピアノ南股ミニコンサート」(南股地区振興会主催)が21日、奥州市衣川の南股地区センター体育館で開かれた。2020年度に修復された旧南股小学校のピアノで市内の音楽愛好家がピアノの独奏などを披露し、訪れた地域の人たちに音楽の楽しさを伝えた。ピアノは同地区センター内に設置され、来館者が自由に演奏できる「農村ストリートピアノ」として活用される。

 ピアノは1954年に製造されたヤマハのアップライトピアノ。66年にダム建設に伴う校舎移転で現在地区センターとなっている校舎に引っ越し、新たなピアノが購入された昭和50年代半ばまでは児童の音楽活動に利用されていたという。

 役目を終えた後は体育館内の倉庫に置かれたままだったが、同体育館にあったもう1台のピアノを調律する際に、調律師からの無償修理の申し出を受け、鍵盤の修理、塗装し直し、調律されて“復活”。2020年11月には「復活コンサート」を開いた。

 今回のコンサートは、新たな役割での活用を始めるに当たっての記念行事。当初は8月に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされていた。開催に当たって同振興会の藤原金悦会長は「(奥州市出身の)大谷翔平選手にあやかってきょうはMVP(ミナミマタ・ビレッジ・ピアノコンサート)です。演奏を皆さんでゆっくり楽しんでほしい」と語った。

 ミニコンサートには約100人が集まった。同地区在住でピアノ教室を開いている渡邉多美子さんのピアノ伴奏と佐藤直子さんのイングリッシュベルの演奏で幕を開け、「市内の音楽を愛する仲間たち」としてこども園の年長児、中高生らが次々に演奏。ピアノソロや木管楽器との共演、歌の伴奏などでピアノが活躍した。

 リストの「ラ・カンパネラ」を演奏した柳田勇護ちゃん(5)は「いつも練習してるけれど指の動きが難しい。ちょっと緊張してる」とステージ前は話していたが、堂々とピアノを弾き、コンサートの最後には演奏者を代表してアンコール演奏。満場の拍手を受けて「うれしい気持ちになった」と笑顔を見せていた。

 伴奏などを務めた渡邉さんは「グランドピアノとは音の伸び方が違うが、子供の頃を思い出す音がする。このピアノも歌や踊りと一緒になって演奏されてうれしいのでは」と話していた。

 同振興会では同センター内の一角にストリートピアノを設置し、開館中演奏できるようにするという。

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