奥州・金ケ崎

狩衣着て貴族気分 平安装束体験 東水沢中1年生【奥州】

平安貴族の装束の着装に挑戦する東水沢中1年生

 奥州市立東水沢中学校の1年生は11月29日、狩衣(かりぎぬ)などの装束着用を体験した。奈良、平安時代の衣食住を学ぶ歴史の授業の一環。和服を着るのは七五三以来という生徒がほとんどで、互いに手伝って衣装に身を包むと「腰がきつい」「重い」などと話した。授業を行った同校社会科担当講師の小野宏之さん(36)は「これがきっかけになって歴史に興味を持ってもらえたら」と期待した。

 授業は、どのように暮らしや社会が変わってきたのか考えることを目的に「装束を着装することで貴族の生活を考察し表現する」として行われた。1年生約120人が参加。講師は県神道青年会の谷藤大典会長(盛岡市)をはじめ、奥州市、平泉町、紫波町の6人の青年神官が務めた。

 同日は「日本の風土や生活に合った貴族中心の文化」とする「国風文化」の振り返りから、平安時代の貴族がどんな生活をしていたのか、食べ物や住まいなどを資料で確認した。

 生徒男女2人ずつがモデルとなって実際に直垂(ひたたれ)、狩衣などを着用すると、きりりとした4人の装束姿に「かっこいい」「かわいい」などと歓声が上がった。小野さんは「狩衣はスポーツウエアのような物で、直垂は今で言えばスーツ」などとし、実物を示しながら衣装の意味や官位の違い、冠と烏帽子(えぼし)の違いなどを解説した。

 続いて3、4人ずつのグループに分かれて着装体験が行われ、生徒全員が平安貴族の装束を着用。最初のうちは青年神官が帯締めや合わせを手伝っていたが、生徒だけで挑戦するグループもあった。

 「着物や和の衣装を着るのは七五三以来」という高橋ひよりさん(13)は「面白かった。でも腰がきついし、動けなくて大変。どうやって歩いていたのかな」と話していた。

 小野さんが、授業で着装体験を取り入れたのは初めてという。「生徒同士で着せているグループもあり、良い経験になったと思う。体験を取り入れて良かった。このような普段と違う刺激を与えることで、歴史や文化に興味を持ってもらえたらうれしい」と語っていた。

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