一関・平泉

地域情報録音し届け40年 「声の新聞」ボランティア団体 視覚障害者と社会の懸け橋【一関】

一関市総合福祉センター内のスタジオで新聞記事を朗読する千葉代表。録音は自宅で行えるようにもなっている

 一関市のボランティア団体「声の新聞」(千葉明子代表)は2021年、活動を始めてから40年の節目を迎えた。地元新聞や市広報の掲載情報を録音して視覚障害者へ届ける取り組みでは、会員が互いに助け合いながら技術の向上はもとより利用者とも交流を深めることで、情報を必要とする人と社会とをつなぐ懸け橋として長年にわたり重要な役割を担い続けている。

 活動のきっかけは1981年、市内の視覚障害者から地元のニュースや身近な情報を知りたいとの要望を受け、一関ユネスコ協会のお話研究会が「岩手日日」に掲載された記事をカセットテープに吹き込み、「声の新聞」として提供したのが始まり。その後、市から広報いちのせきの提供依頼も受けて活動枠を拡大し、一関婦人ボランティアの会声の新聞グループとしての活動を経て、2002年に独立した団体となった。

 現在は平泉町を含む9人を対象に、岩手日日に掲載された1週間分の記事を選んで市総合福祉センター内にあるスタジオなどを使い録音。編集した音声データをCDにダビングして毎週届けているほか、市広報は月1回配布している。新型コロナウイルス感染拡大以前は講師を招いた技術向上のための研修や、他団体との交流、視覚障害者協会の旅行研修に同行するなど精力的に活動を続けてきた。

 現在は会員10人のうち8人が仕事や家事の傍ら毎週交代で録音を続けているほか、月2回の例会を開催。千葉代表(68)は「ここまで続けてこれたのは先輩方の努力のたまもの。テープに録音していた当時は面倒な部分もあったが、CDになってからは各自が自宅でも新聞を吹き込む作業ができるようになったので、関心がある人はぜひ一緒に参加してほしい」と語る。

 声の新聞に関する問い合わせは、千葉代表=090(4636)8433=まで。

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