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「情報」「数学」免許同時に 来年度、教職課程を改定 岩手県立大

 県立大(鈴木厚人学長)は、高校の「情報」と中学・高校の「数学」の教員免許を同時に取得できるよう教職課程を2022年度に改定する。ソフトウェア情報学部(定員160人)に数学の課程を設け、県内で初めて同時取得が可能となる。県内では情報単独の教員として採用されるケースが少ないが、採用に有利な複数免許取得者となることで、学生の進路選択の幅が広がることが期待される。

 同大では現在、同学部の教職課程で高校「情報」の教員免許が取得できるが、学部卒業生で過去5年間に教員となった学生はいない。県教委によると、情報教諭の採用は20、21年度ともに1人。学校の規模によっては情報の授業そのものが少なく、教員の配置が困難なことが背景にある。このため、教員採用試験では高校教諭受験者で情報とその他科目の免許取得者らには加点措置を取っている。

 学習指導要領の改定に伴い、来年度から高校「情報1」が必修化し、情報を含む複数免許取得者が重宝される中、同大は数学と同時取得できる新課程の整備に向けて準備を進める。同学部で来年度、1年次から中高の数学に加え、高校の情報の一種免許取得のための学習に取り組む。これにより、県が求める複数免許取得者を県内で養成するとともに、学生にとっても採用試験に有利な条件が整う。

 同学部卒業生の多くはIT関連の県外企業に就職しているが、新課程の整備で教員として県内就職を希望する学生が増えることが見込まれる。同大教育支援室の関屋一博室長は「学生の進路選択の幅が広がり、卒業後の県内定着にもつながる可能性がある。情報の専門性を生かしながら、数学の指導力も発揮できる教員の育成を目指していきたい」と話している。

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