縄文人の生活ぶりは 立石遺跡出土品紹介 市総合文化財セ【花巻】
花巻市総合文化財センターによる「遺跡のモノがたり展」は、同市大迫町の同センターで開かれている。同町内川目地内で発掘された立石遺跡に焦点を当て、同遺跡で出土した土偶や土器、矢じりなどを紹介。大迫に住居していた縄文人の生活ぶりと遺跡の魅力を今に伝えている。
大迫町内には195件の遺跡が発掘されており、同遺跡は稗貫川と支流の小又川の合流点北東部に形成された河岸段丘上で発見された。
1977年から2004年まで計3回発掘調査が行われ、縄文時代後期―晩期の配石遺構、土器、土製品、土偶などが見つかっている。
同展では出土品約260点と紹介パネルなどを展示している。同遺跡からは321点の土偶が発見されており、今回展示されている土偶のほとんどが初出展。同センターの髙橋純学芸調査員によると、「県内の遺跡では3番目の多さ」という。
このほか、重さが1キロ近くある腕輪型土製品やミニチュアサイズの土器などもある。土製品や土器の中にはアスファルトが付着しているものもあり、髙橋学芸員は「天然のアスファルトを接着剤として活用していたとみられる」と話す。
住居跡が少なく、配石遺構、土偶が多く見つかっていることから髙橋学芸員は「配石遺構に土偶やミニチュアサイズの土器を祭る、祭祀(さいし)場として利用されていたのではないか」と想像を膨らませている。
期間は2022年1月30日まで。開館時間は午前9時から午後5時(入館は4時30分)まで。22年1月3日までは休館。入館料は大人200円、小中高生100円。
問い合わせは同センター=0198(29)4567=へ。