花巻

懐かしい町並み再現 商店ミニチュア制作 東和・菅原さん【花巻】

昔懐かしい町並みを残そうと創作活動を続ける菅原さん。現在は東和町にあった衣料品店のミニチュアを制作中
駄菓子屋、ドライブイン… 10分の1自販機も忠実に

 花巻市東和町新地の会社員菅原祐紀さん(46)は、同町の昔懐かしい町並みをミニチュアで残そうと創作活動を続けている。昭和後期の商店街を彩った駄菓子屋、商店、ドライブイン、古民家などを作り、店内の電飾、商品、家具、店舗前に設置されていた自動販売機なども忠実に再現。現在は衣料品店を制作中で「作品を見て懐かしいと感じてもらいたい」と創作意欲を見せている。

 ミニチュア工房「和祐(わすけ)」を主宰する菅原さんは15年ほど前に同町で開かれている土澤まつりの山車(だし)の製作に協力したことをきっかけにミニチュア作りを始めたという。その後、父親から改築前の自宅を模型で作ってほしいと頼まれ、50分の1サイズのかやぶき屋根の古民家を作り上げた。

 次に始めたのは小中学生時代によく利用していた店の再現だった。これまでに駄菓子屋で通称「十円店」、佐々長醸造の旧店舗、父に連れられて入ったドライブインなどを生み出してきた。大きさは10分の1サイズで、自身の記憶と当時の写真などを手がかりに手作りし、店内に陳列されている商品も一つ一つ再現する。

 プラモデルや駄菓子の箱、パン、菓子の袋などはミリ単位の大きさ。店内に貼っていたポスター、外壁に取り付けられたメーター、点灯も可能な信号機などこだわりは深い。

 材料にはスチレンボード、樹脂粘土、木材などを用途に分けて使用。商品のパッケージやポスターはインターネットでダウンロードした画像を紙に印刷して利用するという。

 休日などを利用して作業を進めるが、徹底したこだわりがあるため、1作品の制作期間は1年~1年半を要する。現在は閉店した衣料品店「東和あみもの」を制作中だが、「店内のショーケースに何が置いてあったのがまだ分からない。衣類のミニチュアもこれまで作ったことがないので大変だ」と苦労を語る。

 「十円店」と「佐々長醸造の旧店舗」は、同町の雑貨店「クラフトアートいちびっと」で公開されている。今年中には商店街内の空き店舗に展示スペースを設けて、市民らにPRする計画だ。

 学生時代にデザインを学び、模型作りは独学で始めた菅原さん。「見てもらって、喜んでもらうのが一番励みになる」。写真や映像でなく、ミニチュアで古き良き東和を届けていく。

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