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消防指令システム 26年から共同運用 災害情報一元化 岩手県内10本部

消防指令業務を集約し、新システムを整備する県央消防指令センター

 県内の10消防本部は、2026年から消防指令業務を盛岡市の新たな指令センターに集約し、119番通報受信などのシステムを共同運用する。市町村の枠にとらわれず災害情報を一元的に把握することで、迅速な対応や緊急時の相互連携が可能となり、県民の安全・安心へのサービス向上が期待される。

 消防庁は災害や事故の大規模化、住民ニーズの多様化などに対応するため、消防の広域化を推進。本県でも検討を進めてきたが、東日本大震災の影響で一時中断。20年度に協議を再開した。消防指令業務の共同運用に向けて県内消防本部に意思確認を行い、一関、大船渡を除く10消防本部の参加が決まった。

 新たなシステムは、盛岡市の盛岡地区広域消防組合の県央消防指令センターに整備する。10消防本部が現在管轄している29市町村からの119番通報は、全て盛岡で受信する。全地球測位システム(GPS)機能などで発信場所を特定した上で、市町村の枠を超えて現場近くの消防署に出動指令を出すことができる。

 これにより、維持・管理費の削減や現場要員の充実が図られるほか、他の消防本部の災害状況把握が容易となり、大規模災害時の迅速な応援体制などの強化が見込まれる。

 10消防本部は、今年4月に消防通信指令事務協議会を設置する。県央消防指令センターの袴田豊センター長は「共同運用による住民サービス向上のため、しっかり準備を進めたい」と話している。

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