奥州・金ケ崎

寄付額5億9600万円 ふるさと納税好調 奥州市

 奥州市のふるさと納税が好調だ。2021年度は昨年11月末現在の寄付金額が5億9600万円で、それまでの実績をはるかに超える15億円余の寄付を得た20年度並みのペース。好調の原因について同市企画総務部都市プロモーション課は返礼品の充実もあるが、返礼品に生産者らの手紙を添えるなど「奥州ファンづくり」が功を奏していると分析。今後についてはオンラインイベントでの交流や観光分野の返礼品充実などを進めたいとしている。

 同市がふるさと納税を導入したのは08年度。初年度は岩手・宮城内陸地震で650万円余だったが、その後は162~232万円で推移。15年1月に返礼事業が始まると3カ月間で大きく伸びた。それまで20件前後だった件数は一気に438件となり、金額も1000万円を超えた。

 その後、15年度は返礼事業効果で一気に6663件3億444万9131円に飛躍。18年度には件数1万件を超え、1万2064件、4億1780万4089円。20年度は巣ごもり需要の後押しもあり15億5435万3749円(53763件)と大きく伸びた。15億円は同市の一般会計の歳入に占める割合は2%ほどだ。今年度も昨年度並みで推移している。

 同市の返礼品は750件登録されているが、このうち150件が今年度の新規。変わらず人気があるのは「南部鉄器」「米・雑穀」で、21年度は5億円台の寄付を得た。また昨年度は靴、ファッションが大きく伸びた。同市に工場を持つブランド商品がふるさと納税で入手できることで話題になったことが要因という。

 ふるさと納税を担当する同課の鳥海友紀主任は「ふるさと納税をきっかけにしたファンづくりが大事だと思う。地場産品の良さ、ブランド力もあるが、手紙を添えるといったちょっとした一手間が高評価をいただいていると感じる」という。

 21年秋には鉄器の選び方、使い方、工場見学を行うオンラインイベントを開催。ふるさと納税に返礼品をラインナップする市内企業同士のコラボレーションも出てきた。鳥海主任は「試験的な部分もあるが、一緒にファンをつくる取り組みとして今後も発展させたい」と語っている。

 同市の特徴の一つは寄贈型返礼品という。寄付者が寄贈先を指定して温湿度計を贈るというもの。今後は寄贈型をさらに増やしていく考えだ。

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