押し花描く賢治世界 亀澤さん作品展 イーハトーブ館【花巻】
押し花教室を主宰する花巻市葛の亀澤裕子さん(65)が手掛けた押し花作品展は、同市高松の宮沢賢治イーハトーブ館で開かれている。賢治作品のモチーフとなった風景を押し花で描いた作品を中心に約50点を展示。草花の自然の色を生かし、賢治の世界を表情豊かに表現している。20日まで。
約15年前に同館で開催した作品展の続編で、同館と宮沢賢治学会イーハトーブセンターが主催する。
作品は自宅の庭など身近にあるさまざまな草花を素材に押し花を作り、何度も直しながら、物語の雰囲気が出るように時間をかけて配置した。
童話「狼森と笊森、盗森」に登場する風景をイメージした「小岩井農場の北側あたり」は、タケノコの皮やサニーレタスを使い、山や田んぼなど、賢治が愛した自然風景を表現しており、見た人の気持ちを穏やかにさせる。「なめとこ山の熊」を参考に、ヒューケラという葉などを重ねた「なめとこ山のあたり」は、葉が持つ豊かな色合いや立体感が印象的だ。
この他に、イーハトーブ世界の季節感を表現したモニュメントも飾っている。
亀澤さんは「いろいろなことを想像しながら、身近な風景を押し花で楽しんでもらえたらうれしい」と来場を呼び掛けている。
開催時間は午前8時30分~午後5時。入館無料。来場者には1人1枚ずつ、押し花のしおりをプレゼントする。
問い合わせは同館=0198(31)2116=へ。
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