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輪禍死 過去最少35人 広報啓発活動が奏功 昨年・県警まとめ【岩手】

 県警は、2021年の県内交通事故発生状況をまとめた。死者数は35人(前年比11人減)と初めて40人を割り、記録が残る1948年以降過去最少となった。関係機関と連携した広報啓発活動などが奏効し、県民の交通安全意識向上につながったとみられる。前年に引き続き人対車両の死亡事故が少なかった一方、対向車線や路外への逸脱事故が多発した。県警は事故防止に向け、さまざまな場面で交通マナーの徹底を呼び掛けていく方針だ。

 県警によると、21年の人身事故は1566人(同92件減)、傷者数は1829人(前年比124人減)でともに減少。死亡事故は35件(同11件減)で、前年と比べ約24%減となった。

 死亡事故を累計別に見ると、車両相互と車両単独が同率の14件で最多。車両単独については運転ミスなどに起因する工作物への衝突や、路外への逸脱が目立った。車両相互でも、対向車線にはみ出したことによる正面衝突が発生した。一方、人対車両の事故は前年より2件少ない7件にとどまった。県警は前年に続き、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛が背景にあるとみている。

 死者を年代別に見ると、10代1人、20代2人、30代1人、50代3人、60代5人、70代12人、80代7人、90代4人。65歳以上の高齢者が全体の68・6%と高い割合を占めた。

 月別の死者は1月と5月がゼロ。8月までは3人以下と低水準で推移したが、9月以降は4~6人で推移し、ゼロの月はなかった。中でも12月は例年より降雪量が少なく、新型コロナの感染状況が落ち着いてきたことなどが影響し、人対車両の死亡事故が3件と相次いだ。岩手、釜石、二戸、岩泉の4署管内では、年間を通して死亡事故がなかった。

 県警は悲惨な輪禍死を防ぐため、年間の死者30人以下を目標に掲げ、子供や高齢者を中心とした交通安全対策を推進している。田村剛交通部長は「関係機関・団体と連携し、安全意識を高める目立つ街頭活動や通学路における交通安全対策を推進するとともに、飲酒運転をはじめとする悪質で危険な交通違反の指導・取り締まりを強化していく」と話している。

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