北上・西和賀

コロナ終息 安寧願い 白木野人形送り わらの武者担ぎ行列【西和賀】

人形を担ぎ、集落境を目指す行列

 西和賀町の白木野地区に古くから伝わる厄払いの伝統行事「白木野人形送り」は19日、同地区内で行われた。地域住民が侍をかたどったわら人形を担ぎ出し、新型コロナウイルスの感染終息や一年の地域の安寧を願った。

 疫病が流行した江戸時代中期に始まったとされ、毎年1月19日に行われている。終戦前後までは旧湯田町の各集落で行われており、1982年に同町の無形民俗文化財に指定された。

 白木野公民館に住民ら約20人が集まり、持ち寄った稲わらを手分けしてよったり、束ねたわらを縛ったりして人形を製作。2時間ほどかけ、かみしもを着けて刀を差した1・2メートルほどの武者人形を仕上げた。

 住民は完成した人形を担ぎ、行列をつくって同公民館を出発。ほら貝や太鼓を鳴らしながら約1キロ練り歩き、隣の集落との境付近にあるクリの木に人形をくくり付けた。地域の息災を祈願し、来年まで取り付けたままにしておくという。

 同公民館の中島正行館長は「一時期途絶えたが、その時にはやり病に見舞われたため、白木野ではもう一度やることになった。外から疫病が入らないようにという願いを込めている。今後も感染予防を徹底し、みんなでコロナを乗り越えていきたい」と思いを語った。

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