工程管理徹底一丸で 花巻農高がJGAP取得 コメ生産へ決意新た
花巻市の県立花巻農業高校(小船光浩校長、生徒304人)は、農産物の安全や経営管理を基準に農場を評価する「JGAP(農業生産工程管理)」認証を初めて取得した。品目はコメ(籾、玄米)で、有効期限は2023年12月20日。生徒らは取得を喜び、今後も衛生管理などを徹底しながら高品質のコメを生産していく決意を新たにしている。
JGAPは持続可能な農業の実現に向け、日本GAP協会(略称JGF)が管理、開発、運営している認証プログラムの一つ。工程管理とともに食の安全、環境保全、労働安全、人権・福祉といった課題にも取り組むことが要求される。
同校では同市石鳥谷町にある同校愛農農場では約5ヘクタールの水田でうるち米、酒米、もち米など5品種を栽培しており、JGAP取得に向け、生物科学科穀物専門部会に所属する2年生6人が中心となって学習を重ねた。
農薬庫にある木製棚に防水処理を施し、農薬の使用記録と在庫を記帳するなど管理を徹底した。つくば分析センター(茨城県)に依頼し、水田の残留農薬や土壌診断などの検査も実施。担当教諭らも県中部農業改良普及センターの職員から指導を受けるなど、生徒と教員が一丸となって取得を目指した。
同専門部会の村田大空さんは「コメを触れるときなどより衛生管理をしっかりした。取得したと聞いた時はうれしかった」と喜びをかみしめていた。
同校は19年に県版GAP(農業生産工程管理)でも登録されている。藤原飛輝さんは「先輩たちが土台をつくってくれたから取得することができた」と感謝していた。
指導した木田深教諭は「教員も学ぶことが多かった。生徒たちは部活動などもある中でよく頑張った。JGAP取得のために学んだ管理徹底などは、どの業種に就職しても役立つ」と話していた。