文化財と命しっかり守る 民俗村で消防訓練【北上】
北上消防署などは「文化財防火デー」の26日、北上市立花のみちのく民俗村で消防訓練を行い、火気の取り扱いや火災発生時の対応を確認するとともに、文化財保護に意識を高めた。
署員をはじめ、同施設や市立博物館、埋蔵文化財センターの職員ら約30人が参加。訓練は、村内の国指定重要文化財・旧菅野家住宅のいろりから出火したという想定で、初期消火や消防通報、放水、避難誘導などが行われた。
水消火器を使った消火訓練では▽天井まで火が回っている場合は消せないので避難、通報する▽小さい部屋などは、後方に出口を確保して噴射する―などの使い方を確認。訓練に続く立ち入り検査では、各施設の消火設備や自動火災報知設備の維持管理状態に加え、避難経路などを点検した。
放水を体験した市立博物館の千葉祐樹主任(41)は「実際にやってみると圧力を感じ、自分の体でしっかり支えないと、と思った。重要な文化財と人命を同時に守ることを考えていかなければならない」と気を引き締めた。
同消防署の渋川誠親予防係長は「国内の文化財は木造の物が多く、火災の被害は大きくなる。原因の一つとして、野焼きからの延焼なども考えられるので、施設の関係者だけでなく地域の方々の協力や注意なども必要だ」と話していた。