旧跡巡りすごろくで 江刺・藤里 おうち時間楽しもう【奥州】
奥州市江刺藤里の「藤の花キャンパス実行委員会」(及川宏之代表、会員6人)は、藤里地区を題材にした「みちのく奥州市江刺 ふじさとの歴史 名所・旧跡めぐりすごろく」を製作した。幅広い年代の住民に、改めて地区への興味を持つきっかけにしてもらおうとの取り組みで、地区内全戸に配布している。
すごろくはカラーA3判で、500部を製作。藤里史談会が2014年に発行した名所旧跡等案内のリーフレットを基に、神社仏閣や城館跡、遺跡、塚など48カ所を升目に盛り込んだ。愛宕神社(石名田)が振り出し、浅井愛宕神社(智福)で上がりとなる。
すごろくは地区の地図をベースに、升目は実際の位置関係をおおむね踏まえた。距離をイメージしやすくするため、学校や地区センターなどの升も配置。イラストは会員が手掛けた。
同実行委では地域行事を開催してきたが、新型コロナウイルスの影響により20年度に続き外出を伴う行事の多くが見合わせを余儀なくされた。出歩きにくい状況の中、主催していた江刺三十三観音巡りに着想を得て、家庭で楽しめる事業としてすごろく製作を企画。21年度市協働のまちづくり交付金も活用して21年夏にたたき台をまとめ、藤里振興会と同史談会の監修を経て同12月末に仕上げた。
同地区では今年度末から市立教育・保育施設の統廃合が始まる。すごろくには地域の活力低下を懸念し、地元の記録を残していきたいとの思いも込めた。及川代表(55)は「子供たちには遊びを通して地域の歴史に興味を持ち、1カ所でも現地に行ってみたいと思ってくれれば。大人やお年寄りも子供に旧跡を教えながら楽しみ、地区の思い出話で盛り上がってほしい」と願っていた。