近代化支えた水沢鉱山 市立博物館和賀分館企画展【北上】
かつて日本の近代化を陰で支えた北上市の水沢鉱山について紹介する企画展は、同市和賀町の市立博物館和賀分館が開かれている。年表や写真、採鉱道具や原石の展示などを通して水沢鉱山の魅力について分かりやすく紹介している。3月6日まで。
同市和賀町にあった水沢鉱山は、江戸時代から明治・大正期にかけて主に銅を産出。最盛期には約3000人が住み、学校や郵便局、劇場などもあったとされる。1964年に閉山となり、約300年に及ぶ歴史に幕を閉じたが、現在も幾つかの遺構があり往時をしのぶことができる。最近ではトレッキングツアーなども開催される人気スポットとなっている。
企画展では図版や写真、年表などを通して鉱山の全体像を紹介した上で、盛岡藩家老席の執務日誌「雑書」や、明治から昭和にかけて発行された地域紙「和賀新聞」の記事から、当時の鉱山で働く人々の様子を取り上げている。
このうち「雑書」の1684年1月19日付には、雪崩が発生して働いていた16人が死亡したことが記されている。1916年5月1日付の「和賀新聞」には総会後の懇親会の様子が紹介されている。さらに採取された原石や坑内で使われたカンテラ、消火器、採鉱道具などの実物も展示している。
入場無料。開館時間は午前10時~午後4時。期間中の月曜日と2月15、24日は休館。
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