一関・平泉

震災復興支援に感謝込め ラガービール共同醸造 世嬉の一酒造 東北魂プロジェクト今年も始動【一関】

東北魂ビールの仕込みで、麦芽を投入する世嬉の一酒造の後藤工場長(左)とイシノマキ・ファームの岡醸造長

 東日本大震災から11年を迎えようとする中、東北にある地ビールメーカーによる「東北魂ビールプロジェクト」が今年も始動した。同じレシピでビールを醸造、販売する試みで、今回はラガービールを醸造。「いわて蔵ビール」を展開する世嬉の一酒造(本社一関市田村町、佐藤航代表取締役社長)でも作業が進められており、震災復興の支援に対する感謝を込め、高め合った技術で造られたビールを全国に届ける。

 同プロジェクトは、震災で全国から支援や注文を受けたのを契機に、東北の品質を高め合うことを狙いに地ビールメーカーが集まって互いの経験や知識をオープンにした上で技術を磨いていこうと企画。2012年11月に初の製品が醸造され、以降さまざまなビールが送り出されている。

 今回は9社が参加。今年のビールについて各社で協議した結果、13年に醸造したホップの香りが豊かで飲みやすいシングルホップラガーをベースにした製品を醸造することにした。前回は苦みを出したビールだったが、ホップを投入するタイミングを遅らせることで、より香りを強調した製品にする。以前は1社に集合して一緒に醸造していたが、新型コロナウイルス感染防止の観点から、各社でレシピを共有してそれぞれ醸造、発表する。

 世嬉の一酒造では、宮城県石巻市に新たに誕生する「イシノマキホップワークス」と共同で醸造することに。2日には同ブランドを展開するイシノマキ・ファームの岡恭平醸造長が来関し、世嬉の一酒造の後藤孝紀工場長と協力して麦芽投入などの仕込み作業を行った。2人は「ラガービールらしいすっきりした味わいの中に、爽快なフルーティーさがある飲みやすいビールになる。進化したわれわれを見てもらいたい」と自信を見せる。

 東北魂ビールは3月7日に発売の予定で、価格は330ミリリットル入り550円(税込み)。佐藤社長は「震災の頃はもうビールが造れないかもしれないと思っていたが、こんなに造れるようになって改めて感謝したい。震災でお世話になった人たちに品質でお返しするというのがコンセプトで、みんな技術が上がった中で、よりレベルアップしたラガーを楽しんでほしい」と語っている。

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