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未就学児の復興教育へ 家族や命の営みテーマに絵本製作【岩手】

就学前段階の復興教育に向けて県教委が製作した絵本「てとてをつないで」

 県教委は、小中高などで取り組んでいる復興教育を未就学児にも広げようと、絵本「てとてをつないで」を製作した。絵本を通じて大切な人と触れ合うことによる安心感や古里を愛する気持ちに触れてもらい、地域の復興・発展を支える人づくりにつなげる。

 県教委では、東日本大震災の教訓を次世代に継承する「いわての復興教育」プログラムを展開。就学前の段階から復興教育の準備をするため、「いきる」「かかわる」「そなえる」の三つの教育的価値をテーマに初めて絵本を製作した。

 絵本はA5サイズ、18ページで、子供の「ぼく」と「おねえちゃん」が初めて自分たちだけで列車に乗り、祖父母に会いに行くというストーリー。列車の場面ではトンネルに入って不安を感じたり、海を見て感動したりする姿が描かれている。2人は祖父母に温かみのある方言で迎えられた後、手をつないで一緒に地域の祭りを満喫する。ラストシーンは夜空に打ち上がる花火や美しく飛び交うホタルで、復興の願いや命の営みを表現したという。対象年齢を考慮し、震災の直接的な描写はしていない。

 4万2000部を印刷し、今年度中に県内の幼稚園や保育所、図書館、公民館、小中学校、県立学校などに配布する予定。県教委学校教育室の菊池郁聡産業・復興教育課長は「温かさが全面に出た絵本に仕上がった。就学前から家族や命のつながりについて考えてもらい、小学校での復興教育に円滑につなげられれば」としている。

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