花巻

「豊作」期待5.45メートル 石鳥谷・たろし滝 2年連続で巨大氷柱【花巻】

5メートル45センチを計測したたろし滝の巨大氷柱

 氷柱の太さでコメの作柄を占う花巻市石鳥谷町大瀬川の「たろし滝」の測定会は11日、現地で開かれた。48回目を迎える今年は胴回りは5メートル45センチを計測し、「豊作」との結果が示された。厳しい冷え込みが続き、太い氷柱が形成されて2年連続の実測となった。

 森から葛丸川に注ぐ沢水が凍ってできる氷柱の太さを計測する冬の風物詩。大瀬川たろし滝測定保存会(熊谷幸夫会長)が1975年から続けており、2000年から「建国記念の日」に開催している。

 同保存会は測定会開催に向けて、1月下旬ごろから橋を設置したほか、滝までの道を整備。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年に続いて内容を縮小して実施され、約60人が来場した。豊作祈願に続き、来場者が見守る中、氷柱にメジャーを巻き付けて計測した。

 同保存会によると、今冬は1月上旬に氷柱ができ、その後は崩落することなく順調に太くなった。寒さが続けば、3月ごろまで形を保つという。

 初めてたろし滝の氷柱を見た石山恒聖君(矢沢小学校3年)は「こんなにでかい氷を見たのは初めてなので驚いた。来年も見に来たい」と感動した様子だった。

 今年から会長に就任した熊谷会長(71)は結果から「豊作」との託宣を示した上で、「昨年に続いて大きく、太い氷柱ができて良かった。新型コロナウイルスの影響で米価が下落するなど、農家にとって厳しい状況が続いている。今回の計測が明るい話題になってくれれば」と語った。

 恒例の豊作祈願川柳では、熊谷会長の「仰ぎ見る コロナもたまげる 大氷柱」、達増拓也知事の「コロナ止め 豊作呼び込む 二刀流」などが発表された。

 たろし滝は同町中心部から西方約10キロの山あいに位置する。「たろし」はつららを意味し、沢水が凍った高さ約13メートルの氷柱が滝のように見えることから、この名で呼ばれるようになったという。過去の計測で最も太かったのは1978年の8・0メートルで、その年の北上川下流の作況指数は「111」と記録的な豊作となった。

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