奥州・金ケ崎

地域経済振興へ連携 奥州市、東北大など5者 協力協定を締結 経営人材育成、事業革新促進

 奥州市、奥州商工会議所、前沢商工会、水沢信用金庫、東北大大学院経済学研究科地域イノベーション研究センターの5者は17日、地域中核企業の育成と奥州地域経済の活性化に向けた連携協力協定を締結した。同センターではこれまでに自治体、経済団体、金融機関と個別に連携協定を締結しているが、複合的な5者連携は初という。協定に基づいて5者は同大の研究成果や人材育成プログラムを活用し、若手経営者の育成や中小企業の事業イノベーション(革新)を促進するなどの連携事業を行う。

 同センターでは、2012年度から「地域イノベーションプロデューサー塾(RIPS)」を実施し、地域企業の経営人材に対して革新的な新事業の開発を促進。地域の雇用機会創出と産業振興に貢献できる革新的なプロデューサーを育成しており、21年度までに280人が卒塾している。

 一方で15年度からは地域金融機関などの職員を対象にした「地域イノベーションアドバイザー塾(RIAS)」を開き、革新的な事業に対する目利き力と支援力を養成している。

 同信金は両塾で職員の能力を向上させており、地元の自治体や商工団体と連携して取り組むことで地域経済振興を図るとして5者が一致した。

 同日は同市水沢佐倉河のリサージュ四季の抄で協定締結式が行われ、小沢昌記市長、同商議所の鎌田卓也会頭、同商工会の菅原繁夫会長、同センターの藤本雅彦教授、同信金の及川和男理事長ら関係者約20人が出席。各者代表が協定書に署名し、記念撮影した。

 締結後、小沢市長は「連携を深く強くしていく」、鎌田会頭は「各企業人材の能力発揮、開発の良い機会となる」、菅原会長は「核となる人材を育て活性化に期待する」、及川理事長は「地域には若いエネルギーがあり、小さな芽がある。水となり、肥料となり大きく育てていきたい」と期待や抱負を述べた。藤本教授は「工場誘致よりも地元企業の事業イノベーションが地域産業の活性化、雇用創出に効果がある。奥州エリアからさらに人材を推挙し、塾を活用してもらいたい」と語った。

 協定により、連携事業として主に▽若手経営者などの育成▽中小企業の経営改善、事業イノベーションの促進▽地域活性化に関する調査研究▽同大が実施するプロデューサー塾へのあっせんと授業料の一部補助―を展開。プロデューサー塾の授業料の一部補助については同信金が行う。協定の有効期間は23年度末だが、特段の事情がない限り更新するとしている。

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