一関・平泉

秀衡桜“里帰り” 姉妹都市・田辺市から苗木寄贈 平泉町 7月開館 学習交流施設に植樹

秀衡桜の苗木を植樹する(左から)髙橋町議会議長、千葉さん、藤原君、青木町長

 平泉町の姉妹都市・和歌山県田辺市にある秀衡桜の苗木が、同町平泉字志羅山に3月完成予定の町学習交流施設の敷地内に植樹された。町関係者は秀衡桜の“里帰り”を喜び、同市との末永い交流と桜の成長を願った。

 秀衡桜は、平安末期に奥州藤原氏の3代秀衡が妻と熊野詣でをした際、生まれた子の無事を願い、つえにしていた桜の木を地に突き刺し、それが成長したものと伝えられる。同市の熊野古道沿いで毎年4月にきれいな花を咲かせ、地元住民に大切にされている。

 同施設で18日行われた植樹式には、町や町議会、中尊寺、毛越寺の関係者40人が出席。あいさつで青木幸保町長は「コロナ禍のため田辺市からの出席はかなわなかったが、ご縁があって秀衡桜が里帰りを果たした。7月にオープンする学習交流施設のシンボルツリーとして成長し、施設が町民の社会教育の拠点として利用されることを願う」と述べた。髙橋拓生町議会議長は「秀衡桜の幼木がすくすくと成長し、まちに潤いを与えてくれることを願う」と祝辞を寄せた。

 田辺市から贈られた苗木は全長約50センチで、現在の5代目秀衡桜(ヤマザクラ)の種から2年かけて育てられたという。植樹には平泉小学校児童会長の藤原蓮君(5年)と長島小学校環境美化委員会委員長の千葉苺佳さん(同)も参加し、青木町長、髙橋町議会議長と共にスコップで苗木に土をかぶせ、関係者が標柱を固定した。

 藤原君は「遠い場所の田辺市と平泉がつながっているのがうれしい。植えた桜の木と自分が一緒に育ってくれれば」、千葉さんは「大きく育ってくれるよう願いを込めた。花を咲かせるのを楽しみにしたい」と話した。

 両市町は、武蔵坊弁慶の生誕と終焉(しゅうえん)の地が縁で1982年に姉妹都市を提携。同町が2021年に世界遺産登録10年、22年に提携40年を迎えることから植樹が実現した。同日は真砂充敏田辺市長の「コロナが落ち着いた際にはすぐにでも訪問し、町関係者と秀衡桜にお会いする日を楽しみにしている」とのメッセージが紹介された。

地域の記事をもっと読む

一関・平泉
2024年5月17日付
一関・平泉
2024年5月17日付
一関・平泉
2024年5月17日付
一関・平泉
2024年5月17日付