一関・平泉

かぐわしき浄土体感 商品化向け今年も活動 平泉のかをりプロジェクト

甘葛煎の材料となるツタを採取する関係者
樹液を煮詰めて作った甘葛煎を手にする南洞さん。今年も平泉の香りを再現した土産品の商品化を目指す

 平泉のかをり創造プロジェクト(南洞法玲代表)は、平安時代に平泉で使われていた香りを再現するため2022年の活動を始めた。平泉町内で採取した甘葛(あまづら)(ブドウ科のツタ)から昔の甘味料の再現などを行いながら昨年に続きお香の商品化を目指す。

 同プロジェクトは「香り」の再現を通して訪れる人たちに浄土平泉を体感してもらおうと、同町や一関市の住民が中心になって19年4月に活動を開始。「平泉の文化遺産」世界遺産登録10年の21年には、平安時代の平泉で使われていたとされる香りを再現し、「香り袋」の商品化と販売を実現した。

 今年最初の活動となった24日は、メンバーらが参加して平安貴族がかき氷などにかけて食べていたとされる甘味料「甘葛煎(あまづらせん)」を再現。2年前から取り組んでいるもので、町内にある甘葛のツタを採取して樹液を取り出す作業などを行っている。今回はJR平泉駅敷地内の桜の木からツタを採取し、平泉文化遺産センター敷地内で樹液を集めた。

 約7キロのツタを切り、長さ20センチ程度にした枝をビニール袋で包んでひもを付け、ぶんぶんと振り回すことにより遠心力で樹液を抽出。小枝の切り口の一方をくわえて空気で押し出す方法と合わせて150ccの樹液を取り出した。

 樹液は鍋に入れて煮詰め、うっすら緑色がかった甘葛煎30ccが完成。糖度71・6度と蜂蜜に近い甘さながらメンバーからは「さっぱりした上品な甘さ」「すーっとのどに入っていく」と好評だった。

 再現された甘葛煎は、お香に混ぜて作る練香(ねりこう)の材料に使用する予定。同プロジェクトでは昨年、平泉の香りを商品化した土産品「文香」「名刺香」の2種類を販売した。南洞さんは「今年も平泉の香りを再現した商品を販売するので、楽しみに待っていてほしい」と話している。

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