北上・西和賀

応急盛り土 9割終了 今春から本復旧工事 国道107号連絡会議

応急盛り土工事の現状や事業スケジュールが示された西和賀町大石地区斜面変状情報連絡会議

 のり面崩落の恐れがあるとして、2021年5月から通行止めが続いている西和賀町内の国道107号の復旧に向けた第6回西和賀町大石地区斜面変状情報連絡会議は1日、北上市芳町の北上地区合同庁舎と関係機関をつなぎウェブ開催された。道路管理者の県は、地滑りを抑える応急の盛り土工事が9割ほど終了したことを報告するとともに、今春から湯田ダム湖内への仮橋設置工事、国道のトンネル化による本復旧工事を進めていく方針を示した。

 地滑りの可能性が高まる融雪期に向けて昨年9月から行われている県の応急工事は、湯田ダムの貯水池水位を通常より低く運用しながら斜面変状箇所の湖水に盛り土する計画で、年度内の完了が見込まれている。

 会議では、融雪や雨などによる対岸の耳取地区への浸水軽減対策として、県が実施した範囲を拡大する形で国がさらに約37万立方メートルの掘削、盛り土工事を22年度内に実施することなども説明された。

 交通確保については、暫定措置としてダム湖内の仮橋を含む約800メートルの仮設道路を設置して迂回(うかい)路とすることが決まっており、今年の積雪期前の供用開始に向けて工事が本格化する。仮橋や周辺の道路の工事と並行し、本復旧となる国道北側へのトンネル整備に向けた迂回路の工事なども計画されており、トンネルは26年度までの完成と供用開始を目指す。

 座長を務める北上土木センターの及川郷一所長は「トンネル化により通行車両のさらなる安全性が保たれることは喜ばしい。本来の国道機能が回復するまで、利便性をできるだけ確保しながら仮設道路の管理に当たりたい」としている。

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