花巻

花巻電鉄思い出して 最終運行時の写真や新聞記事 菅原さん(Act21主宰)展示 グリーンホーム落合

菅原さんによる花巻電鉄の写真展示。デイサービスセンターグリーンホーム落合の利用者の目を楽しませている
最終運行の様子を伝える写真など花巻電鉄の歴史をたどることができる

 花巻市でかつて運行されていた花巻電鉄が全路線廃線になってから、今年で50年目を迎えた。同市中北万丁目の菅原唯夫さん(72)は、「花巻電鉄を思い出してもらおう」と、同市椚ノ目のデイサービスセンターグリーンホーム落合に花巻電鉄の写真や廃線を知らせる当時の新聞記事を展示している。同施設には花巻電鉄に乗車経験がある利用者が多くおり、地域住民の足として親しまれた「馬面(うまづら)電車」の思い出話に花を咲かせている。

 花巻電鉄は1915(大正4)年に開業。72年に廃線になるまで市民や温泉客の足として親しまれ、花巻ゆかりの詩人で彫刻家の高村光太郎(1883~1956年)も買い物や静養先の温泉に向かう移動手段として利用していたという。

 菅原さんは、花巻に残る貴重な文化遺産を紹介する「Act21」を主宰。花巻電鉄の関係者から譲り受けた写真などの資料を保管し、これまでにも花巻電鉄に関する展示会を開催している。

 施設内に並べているのは写真と新聞記事など約60点。写真では最終運行日の様子や旧市内の路線を走る花巻電鉄、当時の切符、解体される車両、電車内の人々など花巻電鉄の歴史を今に伝えている。同施設では今月末ごろまで展示する予定。

 施設を利用する照井良さん(93)は「鉛温泉に行く時によく乗っていたので、とても懐かしい。電車が坂道を登らなくて、乗客で押したことを覚えている」と当時を思い返していた。

 菅原さんは「70歳以上なら乗ったことのある人は多いはず。花巻電鉄の記憶を残していかなければいけない。施設の展示が終わったら、材木町公園などでも展示して市民に歴史を伝えていきたい」と話している。

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