一関・平泉

温かみある手仕事披露 ギャラリー柊 20、21日に展示会 ラボーレペコラ、ふさすぐりの会【一関】

イチコレのグランプリ受賞作を身に付けた菅原さん(左)と、イチコレの歴史をまとめた冊子を手にする佐々木さん。いずれも展示会で公開される予定だ
「イチコレ」GP作品も

 国際的に活躍する染色作家、ファッションデザイナー二宮柊子さん(71)が主宰する一関市山目字大槻のギャラリー柊で20、21の両日、「ペコラ&ふさすぐりの会」展が開かれる。出品するのは同市室根町の就労継続支援B型事業所ラボーレペコラと、草木染めの繭細工に取り組むふさすぐりの会。市民参加型ファッションショー「いちのせき市民モデルコレクション」(イチコレ)でグランプリ受賞モデルが着た衣装とアクセサリーを制作した団体だ。二宮さんがイチコレで審査員を務めた縁から企画された展示会で、手仕事のぬくもりある作品が見られそう。

 2021年11月にイチコレが同市川崎町で開かれた際、審査員の二宮さんはグランプリ受賞モデルのコーディネートから「普通に着られそうだが、主張があって温かい感じ。今の時代だからこそ欲しいような安らぎが残った」という印象を受けた。終了後、ラボーレペコラ、ふさすぐりの会の作品を改めて見て「なかなかセンスがいい。皆さんに知ってもらいたい」と思い、自らのギャラリーで展示会をしようと呼び掛けた。

 展示会ではグランプリ受賞作をはじめ、ラボーレペコラで高機能自閉症の青年が手縫いした刺しゅう付きブラウス、世界で一番丈夫と海外で評されたこともあるというオイカワデニムの生地を使ったワンピースやバッグ、ふさすぐりの会による繭細工のアクセサリーなどが公開される予定。

 ラボーレペコラは、宮城県気仙沼市で障害者福祉に長年携わってきた有志4人が東日本大震災での被災を機に立ち上げた一般社団法人ほまれの会が運営。現在の利用者は20人ほどで一人ひとりの特性に合わせて作業を割り振り、製品は道の駅むろねで販売している。

 同法人代表理事の菅原満子さん(49)は、初めてとなる展示会について「夢を見ているよう」と喜ぶ。障害者の居場所づくりを目指してイメージ画を描き、宮城県から譲渡された応急仮設住宅を事業所に活用するなど、室根の自然の中で施設を整備してきた。「震災に遭って自然の怖さを感じつつも、やっぱり自然の中に身を置くと癒やされたりすることは間違いなくあると感じていた」といい、作品にも柔らかな雰囲気が表われている。

 ふさすぐりの会は、室根で30年以上にわたって活動してきた女性グループ。展示会に向け二宮さんのアドバイスを受け、アクセサリーの新作に挑戦している。

 このほか、いちのせき市民活動センターが展示会をイチコレの映像や冊子で盛り上げようと準備中だ。ラボーレペコラと、ふさすぐりの会を結び付けた同センター主任支援員の佐々木牧恵さん(34)は「イチコレをきっかけとした活動が多方面に発展すればいい」と期待する。

 開場は午前11時~午後4時。問い合わせは柊染色工房=019(622)3693=か、ギャラリー柊(展示会当日のみ)=0191(25)5268=へ。

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