一関・平泉

「100年フード」認定 さらなる普及へ決意 一関・平泉餅食文化

JR一ノ関駅に設置されている餅食文化PRのためのパネル。餅食文化は100年フードに認定され、関係者はさらなる普及に決意を新たにしている

 文化庁が地域に根付く食文化をPRする新たな制度「100年フード」に、「一関・平泉の伝統的なもち食文化」が認定された。冠婚葬祭などの席で最高のおもてなし料理として「もち本膳」が振る舞われ、年中行事や人生の節目などには餅をついて食べる習わしがあるなど、一関地方には古くから餅食文化が浸透していることが高く評価されており、関係者はさらなる普及に決意を新たにしている。

 100年フードは、日本全国の豊かな自然風土や歴史に根差した多様な食文化の中で特に歴史性のある物を文化財として登録する取り組みを進める一環で新設。世代を超えて受け継がれ、長く地域で愛されてきた食文化を100年フードと名付け、地域の関係者や地方自治体が100年続く食文化として継承することを宣言する「100年フード宣言」の取り組みを推進する。

 同制度では、江戸時代から続く郷土料理「伝統」、明治・大正に生み出された食文化「近代」、昭和以降に生まれ今後100年の継承を目指す「未来」の3部門を設定。全国から212件の応募があり、有識者委員会による審査を経て認定基準を満たした131件が認定された。本県からは伝統部門で「一関・平泉の伝統的なもち食文化」と「わんこそば」「まめぶ」「じゅうね餅」が選ばれた。さらに、食に関する情報発信に取り組む博物館や道の駅などの「食文化ミュージアム」に奥州市牛の博物館が認定された。

 餅食文化は、江戸時代に、当時一関地方を治めていた仙台藩の慶弔儀礼式が庶民へと普及したとされ、多彩な餅料理が伝えられており、食べ方のバリエーションは300種類以上ともされている。農林水産業を核として訪日外国人を中心とした観光客の誘致を図る「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域、旧名称・食と農の景勝地)」にも認定されている。

 今回の認定団体となる一関もち食推進会議(佐藤晄僖会長)は餅に関するプロモーション動画を作成したほか、餅料理をデータベース化してインターネット上で公開するなど、さまざまな取り組みを推進している。100年フードの認定について、佐藤会長は「地域に根差したものは残していかなければならず、今後も地元の食として餅食の普及活動を続けていきたい」と語っている。

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