県内外

環境負荷軽減へ カーボンニュートラルLNG受け入れ開始 都市ガス4社

カーボンニュートラルLNGの受け入れを開始した県内都市ガス4社の代表者

 県内で都市ガスを取り扱う花巻ガス(藤田勝敏社長)、水沢ガス(高橋庄美社長)、盛岡ガス(熊谷松亮社長)、釜石瓦斯(渡邉浩二社長)の4社は16日までに、カーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)の受け入れを開始した。4社が関連施設で自家使用するLNGの一部をカーボンニュートラルLNGに変えることで、環境負荷の軽減につなげる。

 4社が購入するカーボンニュートラルLNGは、海外の森林保全プロジェクト由来のCO2(二酸化炭素)クレジットを活用したもの。植林や森林保全によるCO2吸収量により天然ガスの採掘から燃焼までの工程で発生するCO2を埋め合わせすることで、CO2発生が実質ゼロとみなされる。

 今回の契約では、各社の都市ガス製造設備のほか、事務所の給湯やガス空調などで使用する都市ガス1年分に相当するカーボンニュートラルLNG約100トンを供給元から購入し、合計で約340トンのCO2排出量削減に貢献する。

 受入開始を機に4社は16日、滝沢市の盛岡ガス滝沢工場で共同の受け入れ式を行った。

 カーボンニュートラルLNGを積んだタンクローリーを前に、供給元となるエネオスの関係者から供給証明書を受け取った花巻ガスの藤田社長は「地域の脱炭素化実現に向けて歩みを始め、その意義を利用者にも理解していただくための取り組みをスタートさせた」と語り、水沢ガスの高橋社長は「今回の受け入れを契機に、今後もできるだけ環境に配慮した取り組みを進めたい」と意欲を新たにした。

 今後、利用客のニーズに合わせてカーボンニュートラル都市ガスの販売についても検討を進める。


 カーボンニュートラル 温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること。日本は2050年までに温室効果ガスの「排出を全体としてゼロ」にするカーボンニュートラルの達成を目標に掲げている。「排出を全体としてゼロ」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いた合計を実質的にゼロにすることをいう。

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