奥州・金ケ崎

伝統誇り 胸に 奥州・江刺 大田代小で閉校式

閉校式で合唱を披露する大田代小の児童

 奥州市立大田代小学校(小野寺清校長、児童15人)の閉校式は20日、同市江刺の同校で行われた。同校は2022年度から学区が隣接する田原小に統合される。式では児童をはじめ出席者が148年の校史を振り返り、伝統を引き継ぎ新しい歴史をつくることを誓った。

 大田代小は1873(明治6)年創立。1975年に現在の校舎が建てられた。80年代から各種作文コンクールで多くの入賞を果たし、地元・川内神楽保存会の指導で始まった大田代こども神楽は40周年を迎えた。卒業生は21年度を含め1433人。閉校は児童数の減少を受け、市教委の市立小中学校再編計画で決定した。

 式は新型コロナウイルスの感染対策で規模を縮小して行われ、児童や教職員、市、市教委の関係者ら約40人が出席。保護者らにはインターネットを通じて中継した。

 髙橋勝教育長は「伝統と誇りを継承し、新しい歴史の一歩を踏み出してほしい」と告辞。倉成淳市長は、同校を支えてきた熱意を田原小にも向けるよう住民に呼び掛けた。

 小野寺校長は「大田代は現在提唱されているコミュニティスクールの先駆けで、畏怖の思いがよぎる。学校の長い歩みに関わってきた全ての方々に感謝する」とあいさつし、倉成市長に校旗を返納した。児童は閉校に向けて調べた学校の歩みを「お別れの言葉」として発表。「はじまりの歌」を合唱して母校の閉校を惜しんだ。

 閉校記念事業として同校敷地内に記念碑を建立。記念誌も作り、住民に配布した。

 記念碑の除幕で佐藤帆乃佳さん(6年)は「私を成長させてくれた学校が閉校となるのは寂しいが、思い出は忘れない。一人一人の思い出が詰まった学校を誇りに思い、これからも元気で頑張りたい」と語った。

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