感謝込め出発進行 沿線住民ら初招待 SL銀河
盛岡支社は26日、釜石線花巻―釜石間を走る蒸気機関車「SL銀河」を沿線各地で歓迎してくれたことへの感謝を込め、沿線市町などに住む家族を招待して運行した。家族連れら計200人ほどが乗車を楽しんだ。
SL銀河は、東日本大震災からの復興支援や、地域活性化を目的に、2014年度から運行している。21年度の運行は昨年12月に終了し、22年度は4月に開始する。旅客車の老朽化により、23年春に運行を終えることが決まっている。
釜石線沿線の住民を招待したのは初めて。花巻、遠野、釜石市と、住田、大槌町に住む小学生とその家族を対象に募集し、定員を超える応募があった。
花巻駅では、乗車する親子や鉄道ファンらが、発車前に記念撮影する姿が見られた。ホームでは鹿踊(ししおどり)も披露され、にぎやかなムードに包まれた。出発時刻になると、汽笛が高らかに鳴り、黒煙を上げながら走り出した。
小学生の子供2人、妻と共に乗車した花巻市浅沢の会社員、髙橋裕之介さん(35)は「シーズンになると、SL銀河が家のすぐ横を通るので、いつか乗ってみたいと思っていた。迫力に驚いている。車内からの景色を楽しみたい」と、うれしそうな表情で語っていた。
同社営業部観光推進室の小坂一将室長(43)は「地域の皆さんがSLに手を振ってくれたり、見送ったりしてくれることへの感謝の気持ちで企画した。喜んでいただき、うれしい。今後も地域と協力し、SLを楽しんでもらえるよう取り組んでいきたい」と話していた。
車内では、SL銀河に関するクイズや子供用制服を着用しての記念撮影などのイベントがあったほか、遠野駅では、実際に使用されたヘッドマークやナンバープレートの展示が行われた。
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