一関・平泉

清流の証し“艶やか” 今年もカジカ産卵確認 藤沢・黄海 佐川さん【一関】

川の石をひっくり返すと、米粒大のカジカの卵がびっしりと付いているのが見えた

 2016年から自宅前を流れる小川でカジカの観察を続ける一関市藤沢町黄海字上中山の農業佐川建雄さん(71)は、今年もカジカが川の石に卵を産み付けているのを確認した。まぶしい日差しが降り注ぐ川をカジカが泳いでおり、春本番の到来を実感している。

 佐川さんがカジカの観察を続けているのは黄海の山々の水が集まり、まさぼう湖(相川ダム)へと注ぐ相川。毎年春休みになると孫と一緒に観察に足を運んでおり、今年は30日朝に自宅前の幅2メートルほどの流れで石の裏にカジカが米粒ほどの大きさの艶やかな黄色い卵を産み付けているのを見つけた。付近では体長約5センチのカジカの成魚やサワガニなども多く見つかった。

 カジカは渓流などのきれいな水域にすむ魚で、川の石や砂利の底に身を潜めていることが多いという。産卵時期は3月から4月ごろにかけて。佐川さんによると付近のカジカは年々増えており、今年10カ所以上で産卵を確認したという。

 佐川さんと一緒に川を歩いた孫の叶斗君(10)=黄海小学校4年=は静かに石を裏返してカジカが産んだ卵を眺め「今年はあまりカジカを見なかったけど、卵はたくさんある。いつまでも川にカジカがすんでいてほしい」と願っていた。

 佐川さんは「先週産卵前のおなかが大きなカジカを見つけ、雨が降る前にと思い確認してみたらそっちこっちに卵を産み付けていた。まずは安心した」と“春の使者”がすむ清流を眺め、「暖かくなり、梅や桜の花も咲く頃。そろそろ農作業も忙しくなる」と動き出す春を感じ取っていた。

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