北上・西和賀

鎌倉寄贈の桜 切断被害 人為的か、関係者憤る 北上・岩崎城址 昨年植樹2本

切断された桜の苗木。左は支柱=北上市和賀町、岩崎城址

 北上市の展勝地開園100周年を記念し神奈川県鎌倉市の団体から寄贈され、北上市和賀町の岩崎城址(じょうし)に植樹された桜の苗木2本が切断されていたことが、30日までに明らかになった。人為的とみられ、関係者は「何が目的なのか」と憤っている。

 鎌倉市由比ケ浜にある国内最古の人工港・和賀江嶋の築港に携わった鎌倉幕府御家人の一人が、和賀氏関係者だったことから、市民有志による北上市和賀江嶋探訪の会(佐藤克英代表)が二十数年前から鎌倉に出向いて清掃活動に参加。鬼剣舞団体も出向いて舞を奉納するなど、現在も交流が続いている。

 こうした縁もあり、鎌倉市内の3団体と同会、北上ふるさと会の計5団体が協賛して、展勝地開園100周年記念式典直後の2021年11月末、岩崎城址を含む和賀氏ゆかりの北上市内5カ所に、鎌倉市の桜の苗木を2本ずつ植栽。雪解けを待ち、同探訪の会が今月29日に現地確認したところ、岩崎城址では1メートル余りだった苗木が2本とも切断されていた。

 斜めに切り込まれた痕があり、動物とは考えにくく、何者かが刃物で切ったとみられる。

▲斜めに切り込まれた苗木。刃物で人為的になされたとみられる

 佐藤代表(81)は「厚意で寄せていただき、北上と鎌倉の長年の友好の証しでもある桜だけに残念だ。はっきりと切られており、人為的だろう。2本とも切断するのは許せない」と怒りをあわらにする。

 この桜は、鎌倉市の材木座地区が原産地とされ、「御車(みくるま)返し」「普賢象(ふげんぞう)」とも言われる品種。

 佐藤代表は「今年のNHK大河ドラマ(鎌倉殿の13人)と合わせ、市民に和賀氏の旧領地だった北上市と鎌倉市のつながりをPRしたかった」と語る一方、「根は生きている。まだ花芽がつく可能性もあり、何とか再生してほしい」と願っている。

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