一関・平泉

たたら製鉄体験学習 パネルや資料で紹介 大東図書館特別企画展【一関】

たたら製鉄の体験学習の様子を撮影した写真や関連資料を集め、大東図書館で開かれている特別企画展「大原小6年生とたたら製鉄」
地域の伝統文化継承願い
大原小6年生とホッパの会活動

 一関市大東町摺沢の大東図書館(岩渕敏郎館長)は、館内で「大原小6年生とたたら製鉄」と題した第8弾特別企画展を開いている。たたら製鉄の体験学習に取り組んでいる大原小学校の6年生や指導に当たるホッパの会の活動をパネルや資料で紹介するもので、地域に伝わる文化の発信と継承に思いを込めている。

 体験学習は大原小児童がたたら製鉄を伝承するホッパの会の指導で統合前の旧内野小時代の1999年から続けており、2021年度で23回を数えた。6年生は毎年鉄の原料となる砂鉄の採取に始まり、粘土を固めて築いた炉を使ったたたら製鉄、炉の中から取り出した鉄を材料にした卒業記念の文鎮製作まで一年を通じた学習を続けている。

 同館は全国的にも珍しいたたら製鉄の体験学習に着目し、昨年度の6年生(17人)の体験学習の様子を取材。砂鉄が文鎮になるまでの工程を撮影した写真パネルをはじめ、たたら製鉄やホッパの会について説明するパネル、砂鉄を溶かしてできたケラ(鉄塊)、たたら製鉄で作った包丁や小刀、6年生が製作した文鎮などを展示、砂鉄川から採った砂鉄を磁石で集める体験コーナーなども設けた。

 このほか、「たたら製鉄の歴史」「日本の伝統工芸 受け継がれる匠(たくみ)の技」など製鉄に関わる図書約40冊を展示。館内にある「フォトギャラリー」で、同館が体験学習の様子を撮影した写真を25分間に編集した画像の上映も行っている。

 岩渕館長は「全国的にも一年を通した体験学習は珍しく、その最終工程において自らの卒業記念品として文鎮を作り上げるというストーリーに着目した。素晴らしい取り組みを広く知ってほしい」としている。

 展示は5月25日まで。開館時間は平日午前10時~午後7時(土日・祝日は午後6時まで)。休館日は月曜日と毎月第4木曜日。問い合わせは同館=0191(75)3541=へ。

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