平泉の地場産品 売り込め 地域商社、大手卸と契約 全国展開に期待 第1弾は菓子
世界遺産に登録された平泉のブランド力を生かして地場産品などを広く全国に販売していこうと2021年創業した地域商社の「世界と平泉」(本社平泉町平泉、鷲谷徹代表取締役)は、食品卸最大手の三菱食品(本社東京都文京区、京谷裕代表取締役社長)と売買基本契約を締結した。4月からは第1弾として町内事業所が製造する菓子が首都圏のスーパーマーケットで取り扱い開始となり、今後も同町物産品の販路拡大はもとより、新たな商品開発や価値を生み出す取り組みを進めていくとしている。
「世界と平泉」は「商品を通して美しい平泉の魅力を日本中に広めること」を理念に掲げ、同町の観光、物産を軸に経済活性化を進めようと昨年6月設立。翌月には岩手銀行などが出資する官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)からの増資を受けて現在名に改称し、販路拡大には商品開発よりも販売方法が重要との考えから、市場流通の課題解決に向けた取り組みを進めてきた。
今回販売が決まったのは千葉恵製菓(本社同町平泉字佐野原、千葉正利代表取締役社長)が製造する「黄金かわらけかりんとう」と関連商品で、国内大手のスーパーマーケットチェーン、ライフコーポレーション(東京本社東京都台東区、岩崎高治代表取締役社長執行役員)が首都圏で展開する125店舗で2日から取り扱いが始まった。販売される商品は、パッケージを従来の透明な素材から変更したことで賞味期限を延長したほか、平泉をイメージしたデザインを採用したことにより、町の知名度アップなども期待される。
世界と平泉では今後、平泉らしい商品創出はもとより新たな観光ビジネスモデル構築なども進める予定。鷲谷代表取締役(52)は「平泉のブランド力を地場産業に生かすことで消費者の求める平泉らしい商品などを開発し、国内はもとより広く世界に販路を拡大する橋渡しとしての役割を担っていきたい」と語る。