北上・西和賀

新たなビジネス拠点に テナント棟完成 北上駅東口都市開発

北上駅東口一帯に完成したオフィス棟。新たなビジネス拠点として期待される=北上市川岸1丁目

 県内5社が出資する特別目的会社(SPC)の北上駅東口都市開発(北上市川岸1丁目、西尾髙登代表取締役)が、同市のJR北上駅東口付近で建設を進めてきたオフィステナント棟「さくらPORT・OFFICE」が完成した。既に稼働している立体駐車場に続く2棟目で、新たなビジネス拠点として旺盛(おうせい)なオフィス需要に対応。同社は賃貸マンションとシティホテルも併せて一体的に整備しており、2023年秋ごろに全4棟の完成が見込まれている。

 オフィス棟は21年に完成した立体駐車場の隣接地に建設し、鉄骨造地上6階建て。延べ床面積は3654平方メートル。

 SPCを構成する宮城建設(久慈市)と佐藤組(北上市)の特定共同企業体が21年7月に着工し、予定通り22年3月に完成した。オフィス棟の工事費は8億6000万円。

 合わせて22区画(賃料は坪税込み1万3200円)を用意。1階の2区画はクリニック、店舗を想定し2~6階の20区画はオフィスを募集している。北上駅東口都市開発によると複数のテナントが決まり、4月中に入居が始まる見込み。このほか県内外の多様な業種から問い合わせがあり、交渉中という。

 同社は、市と公民連携方式で推進する北上駅東口土地利活用事業の一環で、従来の市営駐車場に代わり立体駐車場(5層6段、453台分)を先行整備。賃貸マンション(地上10階建て、45戸)は6月末の竣工(しゅんこう)を予定している。

 シティホテル(地上9階建て、173室)も今年完成の計画だったが、建設予定地から発見された地下埋設物の処理をはじめ、新型コロナウイルスの影響長期化による資材調達の遅れ、設計見直しもあり、竣工は23年秋ごろになる見通しだ。

 オフィス棟の竣工について、同社の辻村俊彦取締役は「当初の目的である公用地を活用した北上駅東口のにぎわい創出、新しいまちづくりに一歩近づいた。残る賃貸マンション、シティホテルの完成に事故なく安全第一に取り組んでいく」と話した。

 市内では半導体大手・キオクシア岩手の第2製造棟が着工し、23年内に完成を予定する。

 今後もオフィスのニーズが高まると予想され、市都市計画課は「産業経済活性化へ、北上の玄関口へのオフィス棟完成は喜ばしい。キオクシア関連企業をはじめ、さまざまな企業のニーズに応えられるのでは」と歓迎している。

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