奥州・金ケ崎

分水工内興味津々 最深部初公開、親子ら見学 胆沢平野土改区【奥州】

奥州市胆沢の胆沢川上流部にある円筒分水工の内部を見学する親子ら

 胆沢平野土地改良区は16、17の両日、奥州市胆沢若柳にある円筒分水工の最深部を初公開した。円筒分水工は長年の水争いを解消し、農業用水を公平に配分しようと造られたもの。初の試みに県内外から見学者が訪れ、日本最大級の規模を感じていた。

 胆沢平野は胆沢川による河岸段丘で形成された扇状地。扇状地内には河川がなく、胆沢川から取水する茂井羅堰と寿安堰により作物を作る水を得ていた。

 ただ、同じ河川のため、絶えなかった水争いを解消するため、1958年に初代の円筒分水工が完成。95年には現在稼働している2代目となった。

 最深部の公開は、新型コロナウイルス感染対策として予約制で実施。両日とも午前10時~午後3時に30分置きに見学者が円筒分水工の内部に入った。

 見学者はヘルメットをかぶり、直径24メートルの分水槽の上に渡された仮設通路を通って整流壁に囲まれた整流槽の中へと進み、導水幹線用水路を見学。通水時期には豊富な水で満たされている分水槽を歩いたり、同土改区職員の説明を聞いたりしていた。

 静岡県浜松市から家族4人で訪れた大津和也さん(46)は「円筒分水工は国内にそんなにない施設。実際に見て確かめ、公平に水を分けるための仕組みに納得した。歴史が感じられる施設を後世に伝えていきたいと感じた」とし、長女千智さん(11)は「毎秒お風呂100杯分の水を考えただけでもすごい。迫力を感じた。水が入っているところも見たいのでまた来たい」と話していた。

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